【ラズベリーとブラックベリーの品種一覧】

苗木選びのために参考にしたブラックベリーラズベリー品種一覧リストです。趣味の個人が適当に集めた品種の特徴リストです。

目次


ラズベリーの主な品種一覧

ラズベリーは甘酸っぱくておいしい人気の果樹です。栽培も簡単で肥料をそれほど必要とせず栽培にかかる費用も安価です。ラズベリーの収穫は、夏になる前の梅雨ごろの収穫となります。ラズベリーはハウス栽培がおすすめで、露地栽培では梅雨と収穫期が重なるため、二季なり品種で秋果のみを結実する栽培方法があります。ラズベリーは冷涼地での栽培に適した果樹です。九州~本州四国の冷涼地、東北~北海道が栽培適地。北海道、長野県、秋田県がラズベリーの三大産地です。

イエローラズベリー

果実が黄色いラズベリーの一覧です。

ワンダーイエロー

二季なりの豊産性の品種です。

ジョイゴールド

果実サイズが最大500円玉サイズにもなる大粒品種です。生産性は中くらいです。

ファールゴールド Fall Gold

収穫量が少ないラズベリーです。

文献によると、ヘリテージより10日早く熟します。果肉は黄色で適度に堅さがあります。風味がとても良いですが収穫量は少な目から中くらいです。病気に弱いです。※ Growing Raspberries on the north coast (University of Carifornia)より引用しました。

レッドラズベリー一覧。

日本でおなじみの品種です。

インディアンサマー Indian Summer

二季なりのラズベリーです。売れ筋で人気のある品種です。

文献によると、香り良く風味も良い。樹勢強く生産性があります。※ Growing Raspberries on the north coast (University of Carifornia)より引用しました。

サマーフェスティバル

二季なりのラズベリーです。夏果の収穫量はやや多いです。人気のある品種です。

レッドジュエル

二季なりのラズベリーです。収穫量は夏果秋果ともに少な目です。

サンタナ

二季なりのラズベリーです。

スキーナ

以前は通販でも売られていたようですが2020年の時点で入手困難になりました。

スタンザ

二季なりのラズベリーです。以前は通販でも売られていましたが2020年の時点で入手困難になりました。

マリージェーン

二季なりのラズベリーです。夏果の収穫は少なく、秋果の収穫量は中くらいです。

マイラビット

矮生のラズベリーです。

ブラックキャップ

果実が暗赤色のラズベリーです。


イギリスのラズベリー

イギリスで作出されたラズベリーの一覧です。

マリングシリーズの解説

イギリスのThe East Malling Research(EMR)はラズベリーの「マリンシリーズ」を開発しました。マリングシリーズは第二次世界大戦の前に選抜され、その後の1950年代にリリースされました。「マリングプロミス(Malling Promise)」「マリングエクスプロイット(Malling Exproit)」の発表は大成功をおさめ、継続の重要な力となり「マリングジュエル(Malling Juwel)」がリリースされました。近年「オクタヴィア(Octavia, 2008)」がリリースされました。それから「マリングミネルヴァ(Malling Minerva)」、早生のフロリケーンタイプの「マリングジュノー(Malling Juno)」「マリングフレイヤ(Malling Fraya)」が発表されました。早生の「オータムブリス(Autumn Blis)」が1980年代に発表されました。「オータムトレジャー(Autumun Trasure)」は品質が良くPhytophthoraへの抵抗性があります。「マリングベラ(Malling Bera)」と「マリングチャーム(Malling Charm)」はプリモケーンタイプの育種プログラムにより作出されました。参考: Temperate Fruit Crop Breeding: Germplasm to Genomics(Julie Graham, 2018 page22「ヨーロッパの育種プログラム」より)

マリングデュライト

マリングデライト(Malling Delight)はイギリスのラズベリーです。中生で大粒で豊産性です。イギリスにて比較的耐病性があるようです。風味が良く成長も良いです。湿度が高いと果実がたいへん軟らかくなります。収穫時期はイギリスにて7月中旬から8月中旬の間です。日本ではマリングシリーズの中で唯一マリングデュライトが販売されているようです。

グレンシリーズの解説

ラズベリーには「グレン〇〇〇」という名前の冒頭に「グレン」が付いている品種があります。日本で市販されている品種はグレンアンプルとグレンモイです。ちょこっと解説してみました。グレンシリーズはイギリスで作出されたラズベリーです。作出したのは当時のScottish Crop Research Institute(現在のJames Hutton Institute)です。ここに紹介していない品種にGlen FyneやGlen Ericht、Glen Dee、Glen Carronがあります。

グレンアンプル

Glen Ample。グレンプロセンと北アメリカのMeekerを含む複雑な交配。同じ実生の姉妹にGlen Rosaがある。収穫期間が長くGlen Cloveの7-8日後に熟す。中生。棘無しで非常に直立性。自己結実性あり。果実は硬さがあり大きい(※とあるが、私の価値観では中くらい)。果実サイズは5.3gで糖度11%程度。収量は5.8トン/Ha。もっとも有名なラズベリー。1996年にリリース。私が育てた感想は、樹勢も良くて、香りがとても素晴らしかったですが、果実が軟らかく傷みやすいと感じました。スリップスも見られました。

グレンモイ

Glen Moi。一季なり。早生。棘無し。自己結実性あり。硬さ風味よい。果実は中サイズだが大粒と書かれている場合もある。アブラムシへの抵抗性あり。耐寒性はやや弱い。根腐れに敏感。さび病に敏感。Botrytis菌による茎枯れ病に抵抗性。私の調べではおそらく1981年リリース。

筆者の栽培した感想ではたいへん雨に弱く雨宿りさせても生産に至る前に枯れてしまいました。

グレンマヨ

グレンプロセン

Glen Prosen。おそらく1981年にグレンモイと同時にリリース。

グレンリヨン

Glen Lyon。SCRI 7331/1 x SCRI 7256/1。早生~中生。棘無し。樹勢は中庸で直立性。自己結実性あり。病気に耐え、かなり樹勢が良い。風味は十分素晴らしく香り強い。果実の色は明るいオレンジ~赤色。硬さ、酸味良い。冷凍保存に適する。果実サイズ4g程度、糖度9%程度。収穫量4.4トン/Ha。bushy dwarf virusに敏感。アブラムシが媒介する特定のウイルスに感染しやすい。

グレンマグナ

Glen Magna。Meeker x SCRI 7719B11。中生~晩生。棘は少ない。直立性。アブラムシ、根腐れ、bushy dwarf virusへの抵抗性がある。たいへん長い茎が出て樹勢がよい。病気への抵抗性がある。大粒で果実重6-7g。柔らかく甘く、リッチな風味。アブラムシが媒介する特定のウイルスに感染しやすい。

グレンクロヴァ

Glen Clova。1965年リリース。

グレンロサ

Glen Rosa。グレンプロセンとMeekerを含む複雑な交配。収穫時期はグレンアンプルと同じ。棘無しで樹勢がよい。アブラムシへの抵抗性あり。 bushy dwarf virusへの抵抗性あり。根腐れと茎斑点病に敏感。果実サイズ3-5g。

グレンシー

Glen Shee。SCRIシリーズの中の2品種が交配親。棘無しで適度に直立。中生。4-5g。糖度9.7%。37日と長い期間収穫できる。大粒で酸味適度。根腐れに弱い。

グレンドール

Glen Doll。Glen Rosa x 8605C-2。グレンアンプルの5-7日後に熟す。4-5g。甘さ際立つ12.7%。収穫量の高さも魅力的で6.2トン/Ha。機械収穫に適する。品質と風味素晴らしい。


さまざまなイギリスのラズベリー

その他、イギリスにには何種類ものラズベリーの苗木があります。

  • エリカ(Erika)・・・二季なり。早~晩。
  • ジョアンジェイ(Joan J)・・・晩生。
  • スガーナ(Sugana)・・・二季なり。中生。自己結実性あり。
  • タドムル(Tadmor)・・・晩生。一季なり。大粒。
  • トゥラミーン(Tulameen)・・・大粒。スーパーマーケットで人気。

ポーランドのラズベリー

ポーランドはEUに輸出するためにラズベリーを生産しています。主な品種は「Polana」「Polka」です。Institute of Horticultureは「Laszka」「Radziejowa」「Sokolica」「Przehyba」を発表しており、2016年リリースの品種に「Polonez」「Poemat」「Delniwa]があります。参考: Temperate Fruit Crop Breeding: Germplasm to Genomics(Julie Graham, 2018 page23「ヨーロッパの育種プログラム」より)


アメリカのラズベリー

アメリカ合衆国は世界で三番目のラズベリーの生産国です(FAOSTAT, 2016)。ラズベリーは国中で栽培されていますが、特にカリフォルニア州のパシフィックノースウエスト、ワシントン州、オレゴン州に集中しています。育種プログラムはパシフィックノースウエストのワシントン州立大学(WSU)とオレゴン州のアメリカ農務省のARSと世界のいくつかの国(カナダ、ニュージーランド、イギリス)の育種プログラムとの間で互いに親密に行われています。ワシントンとオレゴンは主に機械収穫に適した品種の作出に専念してます。1967年にWSUは「Meeker」という機械収穫に適しラズベリーの茂みが小さくなるウイルス(RBDV)とPhytophtoraへの抵抗品種をリリースしました。いくつかの育種プログラムがあったにもかかわらず、Meekerはいまだに優れた商業用品種として栽培されています。

いくつかの記念的品種に「ウィラメット(Willamette)」「キャンバイ(Canby)」、最近では多収の「コーホー(Coho)」「ルイス(Lewis)があり、パシフィックノースウエストとニュージーランド中南部で青果用の販売に適応してます。

プリモケーンタイプの育種は重要で「サミット(Summit)」「アミティ(Amity)」「ヴィンテージ(Vintage)」「コーカニー(Kokanee)」が青果市場を拡大する目的でリリースされました。新しい品種は「カスケードデライト(Cascade Delight)」「カスケードバウンティー(Cascade Bounty)」と「カスケードハーベスト(Cascade Harvest)」で根腐れに対する抵抗性があり、「カスケードドーン(Cascade Dawn)」と同様にRBDV(茂みが小さくなるウイルスの一種)への抵抗性があり広く植えられるようになりました。

アメリカ合衆国の東側では、ニューヨーク州農業試験場(Geneva)が北アメリカで最も古い交配プログラムを1800年代から始め「テイラー(Taylor)」や「ヒルトン(Hilton)」をリリースしました。それらは大実で1985年にリリースされた「タイタン(Titan)」や早生の「プレリュード(Prerude, 1988)」、晩生の「アンコール(Encore, 1988)」に置き換えられました。「タイタン」は素晴らしい交配親として証明されましたが根腐れ菌に弱いです。二季なりの遺伝資源には「ダラム(Durham)」のような品種がニューハンプシャー州で発明され、素晴らしい遺伝資源から「ヘリテージ(Heritage, 1969年)」「ルビー(Ruby, 1988)(ワトソン, Watson)」が開発され絶頂に達しました。

南部アメリカではノースカロライナ州立大学が育種に集中して努力し、忍耐強く温かい気候に適する種を選抜しましたが、冬の気温が変動してしまいました。「マンダリン(Mandarine)」はアジア系のナワシロイチゴから派生した初めての品種です。近年の品種では「ナンタハラ(Nantahara)」が晩生の二季なりでノースカロライナの山中で栽培する品種として発表されました。

参考: Temperate Fruit Crop Breeding: Germplasm to Genomics(Julie Graham, 2018 page23「北アメリカの育種プログラム」より)

  • ジュウェル(Juwel)・・・オレゴン州立大学が1980年にリリースしたブラックラズベリー。
  • マンガー(Munger)・・・オレゴン州立大学がリリースしたブラックラズベリー。

カナダのラズベリー

小果樹の育種プログラムはカナダのブリティッシュコロンビア州のアガシスにある大西洋農産物研究センター(PARC-Aggassiz)で1950年代より始まりました。最初のリリースは「ハイダ(Haida)」「チルコチン(Chilcotin)」、「スケーナ(Skeena)」「ノートカ(Nootka)」で素晴らしい品質と高い収穫量で1980年代にリリースされ、チリワック(地名: Chilliwackで成功しました。1989年には「(トゥラミーン)Tulameen」が世界で最も栽培されました。されました。より近年の品種に「(エスクィマルト)Esquimalt」「ケマイナス(Chemainus)」「コウィチャン(Cowichan)」「サーニッチ(Saanich)」「ナノース(Nanoose)」「(ウーケー)Ukee」「ルディ(Rudi)」がありヨーロッパへの輸出を試みています。

参考: Temperate Fruit Crop Breeding: Germplasm to Genomics(Julie Graham, 2018 page23「北アメリカの育種プログラム」より)

サカタのラズベリー苗

サカタから発売されているラズベリーの品種です。

  • ジョンスクエア・・・二季なり。トゲなし。4~6g。暑さ強い。6~7月、9~11月。収量は夏果は中くらい、秋果は多い。おすすめ!
  • スタンザ・・・二季なり。1粒6~8g。収穫期6月~11月。
  • ファンタジーレッド・・・一季なり。1粒6~10g。収穫期6月~8月。フロリケーン結実タイプ。

大関ナーセリーのラズベリー苗

アメリカから輸入した苗をライセンス生産しています。

  • ナンタヘーラ Nantahara・・・二季なり。トゲあり。大粒。甘く風味優れる。樹勢よい。6月~7月、9月~10月。ノースカロライナ州立大学が50年以上かけて育種して発表した初めての赤いラズベリー。「Nantahara」は「昼下がりの太陽が降り注ぐ大地」を意味します(※ 筆者の意訳です)。NC245(母樹)とRosanna(花粉提供樹)の交配で1998年に選抜されました。'Nantahara' Red Raspberry (Hort Science vol.44, 2009) より引用しました。
  • チルコテン Chilcotin・・・一季なり。トゲあり。中粒。収量多い。中程度にひきしまっている。果実に光沢。樹勢中。6月~7月。生産性があり収穫機関も長いですが根腐れ病菌に敏感です。Raspberry Cultivars for the Pacific Northwestより一部引用しました。
  • キャンバイ・・・一季なり。中粒。収量中。果実ひきしまり風味がよい。樹勢良い。ほとんどトゲなし。6月~7月。
  • ノバ・・・一季なり。中粒。少し酸味ある。収量多い。トゲいくぶん少ない。6月~7月。
  • レザム・・・一季なり。小粒~中粒。収量多い。すっきりした風味。トゲあり。6月~7月。1914年アメリカ合衆国でリリース。Latham。
  • オータンビリス・・・二季なり。大粒。風味マイルド。収量(おそらく夏果はハリテージより)多い。トゲあり。6月~7月、9月~10月。
  • ハリテージ・・・二季なり。風味よい。収量多い(特に秋果)。トゲあり。6月~7月、9月~10月。

入手困難なラズベリー

  • ワンダーイエロー・・・最晩生イエローラズベリー。ヘリテージより熟期が9日遅い。園芸ネットでたまに売られている。

ブラックベリーおすすめ品種

ブラックベリーのおすすめ品種の紹介です。ブラックベリーでおすすめの品種は、収穫時期をコントロールできる二季なりや梅雨明け以降に収穫可能な品種です。私はチェスター、ボイセンベリー、棘なしブラックベリーを育てています。

トリプルクラウン

棘無し品種です。果実が大きいことが主な特徴です。2020年にホームセンター「コメリ」で売っているところを目撃しました。

チェスター

棘無し品種です。アメリカのイリノイ州、オハイオ州、メリーランド州により共同開発され1985年に発表され、イリノイ州の果物研究者であったChester Zych博士にちなんで「チェスター」と命名されました。チェスターは収穫が遅い品種でアメリカにて8月中旬から9月中旬にかけて収穫されます(中生~晩生です)。果実サイズは小~中くらいでベリーの形は丸く、濃い色で種子が大きく風味は良好でマイルドです。チェスターは自己結実性があります。糖度は11度程度です。2020年にホームセンター「コメリ」で売っているところを目撃しました。

ヒマラヤ

棘無し品種です。2020年にホームセンター「コメリ」で売っているところを目撃しました。

ソーンフリー

ソーンフリーは太くまっすぐに伸びる茎が特徴で支柱があれば育てやすくシンプルな品種でおすすめです。加工用の品種です。

メルトンソーンレス(メルトントローレンス)

2020年に楽天市場のeフラワーで販売を確認しました。

アボンタージ

一時期楽天市場で販売されていたようですが、2020年の時点で販売は見られなくなりました。英語の綴りはL'avantageまたはAvantage(フランス語での発音はレボンタージ、アボンタージ)と思われその意味は「有利、アドバンテージ、長所」などとなります。

ブラックサテン

2020年に楽天市場のeフラワーで販売を確認しました。

ブラックベリー ブルノア(R)スイートブラック

一時期楽天市場で販売されていたようですが、2020年の時点で販売は見られなくなりました。ブルノアの意味は調べてもわかりませんでした。

あみ

2020年に楽天市場での販売を確認しました。名前からして日本で作られた実生品種と思われます。

サテンブラック

2020年通販で苗が売られているのを目撃しました。詳細は不明ですが、Satin Blackと英語で言うのでブラックサティンのことかと思います。

大関ナーセリーのブラックベリー苗

ブラックベリーの苗木を輸入販売しているナーセリーの品種の特徴です。カタログから部分的に引用させていただきました。

  • オセージ・・・Osage。一季なり。中粒~大粒。収量たいへん多い。トゲなし。風味が安定している。7月上旬~8月上旬。オセージはアメリカのアーカンサス州立大学農業部が開発した高品質なフロリケーンに結実するタイプのブラックベリーです。ウォシュタより少し早く熟しナッチェスの後に熟します。オセージは中果でナッチェスより小さいですがウォシュタと同程度の大きさです。オセージは収穫後の品質が良く近郊のマーケットへの輸送に適します(J.R.Clark, 2013, "‘Osage’ Thornless Blackberry")。
  • シャーロンズ・デライト・・・二季なり。大粒。コンパクト。6月中旬~7月中旬、8月中旬~10月中旬。番号はAPF-132で名前はSharon’s Delight。日本でのみ商業販売されるプリモケーンタイプのドワーフブラックベリー。2014年。特許情報を見るとAPF-236Tの交配親となっているだけで商品化はしていないようだ。
  • プライム・アーク45・・・Prime Ark45。二季なり。中~大粒。収量多い。トゲあり。身がひきしまっており日持ちがよい。6月中旬~7月中旬、9月中旬~11月中旬。
  • カイオワ・・・Kiowa。一季なり。特大。トゲあり。収量中。6月下旬~8月上旬。平均果重10gで平均糖度10度で生産性と風味ともに良い(フロリダ州立大学のThe Blackberryの2ページ目より引用)。
  • ウォシュタ・・・Ouachita。一季なり。大粒。収量多い。トゲなし。7月上旬~8月上旬。アーカンソー州立大学の交配プログラムにより2005年特許登録。暑さに強い。自家受粉します。USPP17162。片親にナバホをもつ。平均糖度10度。(一部フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)
  • アパッチ・・・Apache。一季なり。特大。収量多い。トゲなし。樹勢良。7月上旬~8月上中旬。平均果重10gで平均糖度10度(フロリダ州立大学のThe Blackberryの2ページ目より引用)。
  • ナバホ・・・Navaho。一季なり。中粒。収量多い。トゲなし。7月上中旬~8月中下旬。平均糖度は9度。平均果重は3.5g-4g。(一部フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)

サカタのブラックベリー苗

  • チェスター・・・Chester。一季なり。棘はない。大粒で甘い。4g~7g。収穫期長い。7~8月。アメリカ合衆国で広い範囲で適応する。平均果重は5gで中大果。風味はマイルド(フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)。
  • ブルノア・スイートブラック・・・8g~12g。収穫期8月~9月。強健で甘く生食できる。
  • ブラックキャップ・・・3g~5g。収穫期7月~8月。
  • ロッチニーズ・・・6g~10g。収穫期8月~9月。生食できる。

アメリカのブラックベリー

  • プライムアーク・・・Prime Ark。糖度は10-12度で果実重6g。アーカンサス州立大学が開発したプリモケーン結実タイプのブラックベリー。2009年特許登録済み。棘あり(フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)。
  • プライム・ジャン・・・Prime Jan。2004年アーカンサス州立大学の交配プログラムで開発され特許登録。平均果実重5g。平均糖度9-10度。暖かいフロリダでは適応しづらいようだ(フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)。
  • プライム・ジム・・・Prime Jim。2004年アーカンサス州立大学の交配プログラムで開発され特許登録。平均果実重5g。平均糖度8度。暖かいフロリダでは適応しづらいようだ(フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)。
  • ナッチェス・・・平均果重5-8g。平均糖度8.7度。(フロリダ州立大学のThe Blackberryの3ページ目より引用)
  • Brazos・・・二季なり品種の交配親となった1959年の品種。
  • チョクトー・・・Choctaw。古い品種だが生産性が良い。トゲあり。平均果重5gで甘い。

ハイブリット品種

ラズベリーとブラックベリーの交配品種です。

ローガンベリー

ローガンベリー(Loganberry)は北米のブラックベリーと欧州のラズベリーとの交配種です。枝葉や果実はラズベリーよりもブラックベリーに似ています。果実は黒みがかった赤色です。ローガンベリーはJames Harvey Loganによって作出・命名され商業生産用・ガーデニング用品種として販売されました。

ローガンベリーはブラックベリーのAughinbaughという8倍体の品種(母樹)とRed Antwerpというラズベリーの2倍体の品種(花粉提供樹)の交配種で6倍体です。ローガンベリーはカリフォルニアのサンタクルズで偶然交配されました。ローガンベリーはアメリカの連邦裁判所判事で園芸家のJames Harvey Loganによって偶然作出されました。Loganは既存の2品種のブラックベリー(AughinbaughとおそらくTexas Early)を交配して新しい品種を作ろうとしていました。ところがラズベリー「レッドアントワープ」をたまたまそれらの隣に植えました。そうしてできた50本の苗は親のAughinbaughに似た働きをしましたが、その中でローガンベリーはより大きく活発でした。その中にはマンモスという品種も含まれていました。ローガンベリーの棘の無い突然変異種「アメリカンソーンレス」は1933年に発表されました。他のベリーと同様に枝は2年で寿命を迎えます。

ローガンベリーはボイセンベリーの祖先です。

ローガンベリーの生育は旺盛でラズベリーのような細く軟らかい棘があります。果実の形はブラックベリーに似ています。種子は小さく果肉は軟らかいです。ブラックベリーとラズベリーが合わさった香りです。果実はそれ単体で食すとほのかに独特のおいしい風味がします。果実は堅く輸送に適します。

ローガンベリーは生食されるほか、ジャムやフルーツソース、パイやクランブル、田舎ワインなどに加工されます。

他のベリーより耐病性がありますが、果実が葉に隠れているため商業生産者には棘もあり手間がかかるのであまり好まれません。

詳しくはWikipedia Loganberryの項目(英語)をお読みください。

タイベリー

タイベリー(Tayberry)はブラックベリーとラズベリーの交配種1975年に特許が取得されました。イギリスのスコットランドのTay河に因んで命名されました。ローガンベリーよりもより大きく、より甘く、より芳香があります。生食と調理のどちらも可能です。手摘みも機械摘みも困難なため、商用生産に適しません。日本にはタイベリーメジーナという名前で販売されています。数年前まで楽天で購入できたのですが、もう入手できなくなりました。

タイベリーはスコットランドのダンディーという都市のDerek L. Jenningsにより特許が取得されました。彼は5年もの努力の後、ラズベリーの交配種とアメリカのAuroraというブラックベリーを交配し1979年に発売されました。

果実は赤紫色でとうもろこしのような形で最大4cmの長さになります。摘み取る時の感覚はブラックベリーと似ています。タイベリーはローガンベリーよりも酸味が少なく香りが強いです。成長の傾向はブラックベリーに似ています。茎の長さは1.8メートルから2メートル程度に伸びます。収穫期間は長くイギリスにて初夏から晩夏まで続きます。

タイベリーはイギリスにて栽培容易で病害に対し抵抗性があります。タイベリーは十分に日照があり有機質で水やりがしっかりされた土壌で活発に育ち多くの果実を実らせます。枝の通気性を良くすることで病気を防ぐ必要があります。耐寒性は-26未満までです。晩期に黄色さび病が発生します。挿し木繁殖はイギリスにて10月中旬が適しています。

タイベリーの栄養は100gあたり25kcalで炭水化物は11g程度です。

タイベリーは生食やジャムのほか、ワインにされます。

詳しくはWikipediaのTayberryの項目(英語)をご覧ください。

ボイセンベリー

ボイセンベリーはアメリカのカリフォルニア州で発見され1935年にWalter Knott’s farmから販売されました。アメリカ農務省のWalter Knott と George Darrowがカリフォルニア州北部のRudolph Boysenにてボイセンベリーを発見しました。そして1920年代の後半にKnott’s Berry Farmへボイセンベリーを移植しました。由来は不明ですがブラックベリーと赤いベリーの交配種と思われます。色は深みのある黒味がかった赤色で種子大きく皮が薄いです。オレゴン州は全米一のボイセンベリーの生産地です。

栽培のコツ

栽培者である私が少し補足します。ボイセンベリーは「ほふく性」なのでトレリスなどの支柱に巻き付けるようにして育てます。ラズベリーのような特徴も少し混ざっています。加工用の品種で生食には糖度はそれほどではなく酸っぱくて適しません。茎がものすごく長く伸びる特徴があります。時々棘のある枝が出てきます。収穫時期が梅雨の中の1週間程度なのでカビやすく収穫後の果実も日持ちしません。できれば雨除け栽培をおすすめします。ちなみに生食しても甘くなかったです。

ボイセンベリーは日本国内の一部の地域で商用生産されており、ボイセンベリージャムやボイセンベリーサイダーなどの加工されて時々テレビに取りざたされています。

関連リンク

更新履歴
  • 2020年9月22日: リンクを最新のものに更新しました★。
  • 2020年9月19日: トリプルクラウン、チェスター、ヒマラヤを追加しました。ローガンベリーとタイベリー、ボイセンベリーなどに説明を追加しました。
  • 2019年4月23日: グレンシリーズについて解説しました。
  • 2017年3月8日:スマホ対応しました。

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