【ミカンと柑橘類の種類・品種の特徴一覧】

趣味栽培をきっかけに収集したミカン柑橘類品種一覧です。

ミカンと柑橘類の品種一覧

ミカンなどの柑橘類について。柑橘類は世界中で愛されさまざまな種類が作出されました。日本国内で栽培可能な柑橘類の種類を調べました。日本でもミカンに代表される多くの種類があり、店頭に並ぶ柑橘類はほんの一握りでしかないとわかります。栽培スペースがあり、いくつか育てれば食卓が豊かになることでしょう。
柑橘類の品種一覧

ミカン類の品種一覧

-5度程度までなら一時的に耐えられる。温暖地~中間地。厳密にはタンゴール類なども混ざっていますが、温州ミカンとして扱われているものはここに記しました。ほとんどが強毒性のCTVに感染している、もしくは感染すると考えられています。

  • キシュウミカン・・・温州ミカン原種(母樹)。別名紀州子みかん、桜島子みかん。日本に輸入され最初に広まったミカン。中国浙江省原産。高田みかん。
  • クネンボ・・・温州ミカンの原種(花粉提供樹)と八朔の原種。宗像神社でも重要な木で神饌のひとつに九年母の果実を神に供える。
  • 温州ミカン・・・品種は不明だが園芸店で売られているミカン。またはこの時期に採れるみかんの総称。
  • 極早生温州・・・品種は不明だが園芸店で売られているミカン。またはこの時期に採れるみかんの総称。宮本早生、岩崎早生、鹿児島早生など。
  • 早生温州・・・品種は不明だが園芸店で売られているミカン。またはこの時期に採れるみかんの総称。興津早生、美保早生など。
  • 中生温州・・・品種は不明だが園芸店で売られているミカン。またはこの時期に採れるみかんの総称。
  • 普通温州・・・品種は不明だが園芸店で売られているミカン。またはこの時期に採れるみかんの総称。青島温州など。
  • 晩生温州・・・品種は不明だが園芸店で売られているミカン。またはこの時期に採れるみかんの総称。十万温州、寿太郎など。
  • 豊福早生 Toyofuku (9月下旬~10月中旬)・・・着色早く減酸早い。大浦早生×パーソンブラウン。じょうのう膜軟らかい。果汁の多少は多、甘味は中、酸味及び香気は少である。雑種であるがミカンとして扱われている。種苗法に基づく登録日は1995/03/23。育成者権の消滅日は2013/03/24。正確にはミカンではなくタンゴール類。R注目!
  • 肥のあかり Hinoakari (9月下旬~)・・・みかんとして販売される。果皮剥きやすくじょうのう膜柔らかく食べやすい。日南1号×ジョッパオレンジ。樹勢やや強い。棘多い。果皮剥きやすくじょうのう膜はやや軟らかい。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無、胚の数は多胚である。日南1号と豊福早生より甘味多く成熟期早い。ミカンの雑種だがミカンとして扱われている。種苗法に基づく登録は2004/11/08。正確にはミカンではなくタンゴール類。
  • ニュー日南 New Nichinan・・・日南一号の枝変わり。種苗登録と商標にニュー日南という名前は存在しない。別名があるのかも。R
  • 日南の姫 Princess of Nichinan(9月上旬~10月上旬)・・・日南一号の枝変わり。2008年登録とあるが2008年に種苗登録された情報に日南の姫という名前はまだ無い。商標の登録番号は4864551および5710096。筆者も栽培中の品種で樹勢も良い。平成24年度の栽培面積は42haで全国で61番目。肥のあかりのほうがおいしいという説もある(果樹研究所 カンキツ研究興津)が糖度は他の極早生より約1度高い。栽培容易!R
  • 紀宝早生 Kiho Early (9月中旬~10月上旬)・・・宮川早生の枝変わり。早生品種の中では酸味少ない。和歌山県有田郡金屋町にて9月中旬から収穫できる。開張性で樹勢弱い。樹の大きさは中。果実の大きさは中である。じょうのう膜は軟らかい。果皮の厚さは薄く皮はやや剥きやすい。果形指数は120程度。10月上旬に完全着色する。宮川早生より一か月ほど早く、宮本早生より一週間ほど早い。隔年果性は低。浮皮少なく貯蔵性は中である。甘味中、酸味少、果汁多。登録日は1989/09/19で権利消滅日は1997/09/20。
  • 宮本早生 Miyamoto Early (9月中旬~10月中旬)・・・酸っぱい。糖度9くらい。育成地の和歌山県海草郡下津町で9月中下旬から1~2分着色し収穫できる。果実の大きさは中。10月中旬に完全着色。宮川早生と比べて2週間から20日程度着色および減酸が早い。皮は薄い。結実良好。1981/02/04登録。権利消滅日は1999/02/05。R
  • みえ紀南1号 Mie Kinan no.1(9月上旬~10月)・・・崎久保早生×サマーフレッシュ。糖度9月上旬で9.5度、10月上旬で10.4度で酸味も崎久保早生より低い。(参照HP)。三重県南牟婁郡御浜町にて10月上旬に成熟する。開張性で樹の大きさは中、樹勢はやや強い。棘はやや多い。果実大きさは中、果皮の厚さは中、じょうのう膜は軟らかい。果汁および甘味は中、酸味少なく香気は中。崎久保早生より甘味が高い、宮本と比較して甘味高い。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無である。種苗法による登録日は2008/03/18。消滅日は未記載。正確にはミカンではなく雑柑類。
  • 秋の姫 Akinohime(9月下旬~)・・・日南の姫の枝変わり。濃厚で甘く酸味があり、味ボケ浮皮少ない。まれに糖度14度になる。国華園で入手可能。種苗登録、商標ともに2018年時点で登録がありませんが日南の姫の商標権利者が名称および苗木の権利を有していると思われるので、売れ行きによっては商標登録される可能性があり農家は名称を使用する際に販売リスクが生じると思われる。
  • 日浦早生 Nichiura Early(9月下旬~10月)・・・崎久保早生の枝変わり。崎久保早生より熟期早い。樹勢弱く棘少ない。甘味は中、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無。種苗法に基づく登録は2001/07/27。品種登録の有効期限は2007/07/28。R
  • 崎久保早生 Sakikubo Early(9月下旬~10月)・・・極早生の中では甘味が高い。糖度は9月上旬で8度、10月上旬で9度。三重県の主力品種。
  • 日南一号 Nichinan no.1(9月下旬~10月中旬)・・・興津早生の枝変わり。極早生の中では樹勢強い。開張性。果形指数は140程度。果実の大きさは中である。じょうのう膜は軟らかい。果汁多く甘味は中、酸味は少。育成地(宮崎県日南市)において完全着色は10月上旬。興津早生より2週間早く宮本早生より1週間早い。隔年結果性は中、浮皮発生しやすい。貯蔵性は短い。登録年月日は1989/09/14で育成者権の消滅は2007/09/15。平成24年度の時点で極早生ミカンのシェアNo.1。定番!R
  • 日南早生 Nichinan Early・・・日南一号の枝変わり。宮崎県日南市において10月上旬に成熟する。樹勢やや弱く木の大きさは小、やや開張性。棘は無い。じょうの膜はやや軟らかい。隔年結果性は低、浮皮果の発生は多、裂果の発生は無、その他の生理障害(す入り)はかなり少、貯蔵性は短である。日南姫と比較して果実重い。日南一号と比較して浮皮発生多い。登録番号19459。2008/03/18登録。育成者権の消滅は2017/03/22。R
  • 岩崎早生 Iwasaki Early(10月上旬~10月中旬)興津早生の枝変わり。長崎県原産。糖度は8度から10度程度。極早生ミカン。R
  • 大分早生 Oita Early(10月上旬~10月中旬)極早生品種。糖度10度前後。減酸早いが着色後は味ボケしやすい。極早生ミカン。R
  • 由良早生 Yura Early(10月上旬~10月下旬)2013年解禁。緑が少し残った状態で収穫する。糖度11~12度程度と極早生ミカンの中では高い。果皮の厚さやや厚、果汁多く甘い。宮川早生の枝変わりで和歌山県原産。樹勢弱い。酸度はミカンの中でも高め。中玉~小玉。極早生ミカン。筆者も栽培しているが、本当に樹勢が弱い。育てるまで年数がかかる。そして、2019年12月10日BS1放送の「Trials to Oishii Tokyo みかん」によると、由良早生は樹勢が弱いので土壌の水分を多く必要としてミカンの中でも手間がかかる品種である。摘果をしっかりやらないと木が弱ってしまう。と説明があった。2020年、国華園にてウイルスフリー苗の販売を確認した(といっても本当の意味でウイルスフリーではないかもしれないが)。R
  • 上野早生 Ueno Early(10月上旬~11月上旬)1985年登録。佐賀県原産。宮川早生の枝変わり。極早生ミカン。糖度良く上昇し減酸遅い。食味濃厚で浮皮の発生少ない。樹勢やや強く直立性。結実良く隔年結果性は低い。おすすめ!育成地である佐賀県東松浦郡浜玉町において9月下旬または10月上旬から収穫できる極早生みかんである。開張性で樹勢は宮川早生より強い。果形指数130~135。果実大きさ中で果皮は薄い。果皮着色は9月下旬で2~3分。10月中下旬に完全着色。甘味は中。酸味は9月下旬で1.0を上回る。急激な酸度の低下は起こらず食味良好である。浮皮の発生は見られない。種苗法に基づく登録年月日は1985/07/18。権利消滅日は1997/07/19。R
  • もちまる宮川(持丸宮川) Mochimaru Miyagawa (10月上旬~)・・・豊産性。貯蔵性よい。宮川早生の甘味つよく丸いものを選抜。国華園で入手可能。2018年時点で品種としての種苗登録はない。新しい品種と思われるが出所不明なのでいきなり商標登録され名称の使用ができなくなる可能性も否定できないので名称を使用しての販売リスクがあると思われる。
  • 興津早生(興津二号) Okitu Early(10月中旬~11月上旬)宮川早生より糖酸度高い。樹勢強い。豊産性。熟期は10月下旬~11月上旬。宮川早生×カラタチ。1940年交配。1963年登録(※現在の品種登録DBには存在しない)。糖度11度前後で宮川早生より酸度低い。宮川早生より着色早く樹勢強い。浮皮が発生する。栽培容易で完熟栽培も可能の早生温州。直立性。果実は宮川早生と同程度かやや小さい。平成24年度は日本で三位の生産面積(12%)。正確にはミカンではなく雑柑類。定番!R
  • 肥のあけぼの(10月上旬~下旬) Hinoakebono・・・熊本原産。育成地において10月上旬から収穫でき成熟は10月中旬。平均糖度11-12度。まれに14度。風味優れる。楠本早生×川野夏ダイダイ。樹大きく樹勢強い。果形指数は136~141。果実の大きさは中。果皮の厚さは中、じょうのう膜は軟らかい。果汁の多少及び甘味は多、酸味は中、香気は少。隔年結果性は低,浮皮果の発生及び裂果の多少はでにくい,貯蔵性は小である。 上野早生と比べて樹勢強く甘味多い。種苗法による登録年月日は1995/03/23、権利消滅日は2013/03/24。正確にはミカンではなく雑柑類。R
  • 三保早生(興津1号) Mikubo Early・・・(10月下旬)甘味強く食味優。樹勢強く豊産性。宮川早生×カラタチ。1940年交配。正確にはミカンではなく雑柑類。
  • 宮川早生 Miyakawa Early(10月下旬~11月中旬)福岡県原産。1925年発表。糖度11度前後。早生みかんの代表品種。平成24年度も日本一の栽培面積(21%)を誇る日本一のミカン!定番!R
  • 山下紅早生 Yamashita Red Early (10月下旬~)・・・宮川早生の枝変わり。樹勢弱く開張性。果皮は薄く、はく皮が容易で、じょうのう膜は軟、甘味・酸味は中程度である。種苗法に基づく登録は1983/05/30。品種登録の有効期限は1995/05/31。R
  • 原口早生 Haraguchi Early(10月下旬~11月下旬)
  • 金柑子(きんこうじ)温州・・・ミカン。1房に1~2個の種子あり。収穫期は11月中旬~。果皮は緑色で果肉はオレンジ色なので害獣に遭いにくいか。
  • 小田原紅早生 Odawara Red Early (11月上旬~)・・・果皮紅色のみかん。
  • 田口早生 Taguchi Early(11月上旬~12月下旬)・・・糖度12-13。興津早生の枝変わり。1995/09/14に登録。育成者権の消滅日は2013/09/15。国華園のカタログでは熟期は10月中旬~。(カタログの内容が事実とすると)樹勢強く毎年豊産性。宮川早生より酸度低い。早生ミカンの中では糖度高く酸度低い。筆者が登録内容を調べてみると、樹勢中、木の大きさは大、果形指数は~135、果実重120g程度である。じょうのう膜は軟らかい。浮皮出にくい。隔年結果性は中。甘味は多い(糖度12~13度)。果皮の厚さは薄い。酸味と香気少。興味深い!R
  • 木村早生 Kimura early (11月上旬~)宮川早生の枝変わりで熊本県原産。じょうのう膜が薄く隔年結果で大玉になりやすい。
  • 瀬戸温州 Seto Unsiu・・・(11月下旬)甘味比高い。長期貯蔵できない。樹勢強く豊産性。杉山温州×トロビタオレンジ。カンキツ興津8号。1946年交配。正確にはミカンではなくタンゴール類。
  • 佐世保(させぼ)温州 Sasebo Unsiu(11月下旬~12月上旬)・・・長崎県原産で宮川早生の枝変わり。糖度12-16度。糖度高い。長崎原産。糖度高くコク深い。浮皮なりにくい。生理落果、隔年結果する。
  • 尾崎 Ozaki(11月下旬~12月上旬)別名、佐世保温州。R
  • 河井温州 Kawai Unsiu(11月下旬~12月中旬)尾張系温州の枝変わりでおそらく山口県原産。甘味は普通。浮皮少ない。やや開張性で節間長い。樹勢久能温州より弱い。隔年結果低い。樹勢強く豊産性。食味良い。貯蔵性低い。
  • 久能温州 (収穫期11月中旬~11月下旬、可食期は11月下旬~12月中旬。)長橋温州×ジョッパーオレンジの胚心胚実生。農水省育成。玉揃い良好で大果で食味やや淡泊。樹勢強い。摘果し隔年結果を抑える。中生温州。1971年交配。カンキツ興津6号。正確にはミカンではなくタンゴール類。
  • 南柑二十号 Nankan no.20(11月中旬~11月下旬収穫、可食期11月下旬~12月下旬)愛媛県宇和島原産。1926年発見。糖度12度~13度で酸度0.8ほどで糖酸バランス良い。愛媛県の中生温州ミカンの主力品種である。浮皮が発生する。中生温州。樹勢あまり強くなく葉も小さい。定番!R
  • 石地 Ishiji(収穫期11月中下旬~12月下旬、可食期12月上旬~12月下旬)杉山温州の枝変わりで広島県原産。中玉。糖度13度程度で酸度は0.8程度。隔年結果。浮皮になりにくい。中生温州。ウイルス汚染の可能性。フリー苗の販売もある。初期の樹勢強くやや直立性だが結実により落ち着く。葉細長く先は尖っている。果実の大きさは中。隔年結果性はやや高。浮皮の発生少ない。貯蔵性は中。筆者も栽培していたが、樹勢は強いが隔年結果するので寂しい。2000/11/07登録。権利消滅日2011/11/08。R
  • 伊木刀(11月下旬~)・・・糖度11-12度。酸味少なく甘味強い。隔年結果しにくく栽培容易。国華園で入手可能。
  • 藤中温州 Fujita Unsiu・・・(11月)神奈川県で発見される。
  • 盛田温州 Morita Unsiu(11月中旬)・・・佐賀県原産。1980/08/13登録。1987/08/14権利消滅。トマトの果面のように果皮の表面が滑らか。宮川早生より果皮厚い。
  • 紀の国温州Kinokuni Unsiu・・・和歌山県原産。丹生系温州の珠心胚実生。樹は大きく樹勢強い。果形指数は平均138。果実大きさ中。果皮厚さ中、果汁は多、甘味は多、酸味は中。11月下旬に完全着色。12月中旬に酸度1.0%程度。隔年結果性はやや高、浮皮果はでにくく、貯蔵性は大である。1986/11/21登録。1997/11/22育成者権消滅。
  • 愛媛中生Ehime Middle・・・(11月中旬~12月上旬)南柑20号×パーソンブラウン。開張性で樹勢は中。果形指数は136~141。南柑20号より減酸早い。貯蔵性は中。香気も中。隔年結果しにくい。浮皮発生する。甘味中。果汁多い。酸少な目。隔年結果性は低、浮皮果の発生はでやすい。1994/11/22登録の温州ミカン。育成者権の消滅日は2012/11/23。正確にはミカンではなくタンゴール類。R
  • 今村温州Imamura Unsiu(12月上中旬)・・・福岡県原産。原木は伐採され「幻のミカン」となる。R
  • 南柑4号 Nankan no.4(収穫期11月中旬~11月下旬、可食期11月中旬~1月下旬)愛媛県原産。普通温州。昭和26年から栽培奨励。果実大きく果皮なめらか。糖酸普通。樹勢強く葉はやや大きい。豊産性。
  • 山本温州 Yamamoto Unsiu(収穫期11月中旬~11月下旬、可食期11月中旬~1月下旬)山口県原産。普通温州。昭和16年に選抜。甘味多い。樹勢強い。
  • 向山温州 Mukaiyama Unsiu(収穫期11月下旬~12月)和歌山県の主力品種。平成24年度の生産面積8位。年内出荷用のミカン。
  • 川田温州 Kawata Unsiu (12月初旬~)愛媛県原産。宮川早生の枝変わり。糖度12度程度、酸度0.8程度。食味良く浮皮になりにくい。隔年結果する。
  • 西南のひかり(12月上中旬)・・・(アンコール×興津早生)No.21×陽香。樹勢弱く棘多い。露地栽培で糖度13度。じょうのう薄い。果汁多い。果実平均180g。果皮厚み2.5mm。剥きやすい。花粉少ないので無核果生産しやすい。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は少。摘果必要。完全種子数0.5~多くて8個(圃場の花粉次第)。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は中である。はれひめより果皮薄く甘味高い。2009/03/19登録。品種登録の有効期限は30年である。雑種であるがミカンとして扱われている。正確にはミカンではなく雑柑類。R
  • 今村九号 Imamura no.9 (12月中旬~)・・・糖度13-14。貯蔵性優れる。今村温州の枝変わり。
  • ひめのか Himenoka (12月中下旬~1月上旬)愛媛県原産で大津4号の珠心胚実生。樹勢強い。果皮厚さ中、じょうのう膜の硬さは中。果実サイズは中。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無である。糖度14度程度で酸度は0.9程度。大津4号より減酸早く糖度高い。隔年結果性は高、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性はやや長である。種苗法に基づく登録日は2006/07/13。
  • 大津四号(大津4号) Otsu no.4(収穫期11月下旬~12月上旬、可食期12月中旬~2月上旬)神奈川県原産で十万温州の珠心胚実生。糖度13度~で酸度は1.0程度。糖度高い。樹勢強く開張性。隔年結果強い。浮皮。普通温州。昭和47年(1964年)に選抜。ひめのかの親。1977年に品種登録。R
  • 青島温州 Aoshima Unsiu(収穫期12月上旬~12月中旬、可食期12月中旬~2月下旬)静岡県原産で尾張温州の枝変わり。糖度12度~13度程度で酸度0.8。貯蔵性がありじょうのう薄い。糖酸バランス良い。浮皮なりにくい。食味良好で定番の普通温州。隔年結果強い。平成24年度は日本で二位の生産面積(13%)。R
  • 古田温州 Furuta Unsiu (収穫期11月下旬~12月上旬、可食期12月中旬~2月上旬)杉山温州の枝変わり。昭和35年発見、昭和56年品種登録。大果で玉揃い良い。果皮杉山温州より厚くじょうのう膜はやや硬い。糖度杉山温州よりやや高い。樹勢強い。味は濃厚で貯蔵性がある。普通温州。
  • 林温州 Hayashi Unsiu (収穫期12月上旬 1月~3月出荷)平成24年度栽培面積第9位のミカン。
  • 寿太郎温州 Jutaro Unsiu(収穫期12月上旬~12月中旬、可食期1月中旬~3月下旬)・・・青島の枝変わりで青島より着色早い。11月下旬に完全着色。樹勢中。1975発見。1984/09/05に品種登録。糖度は12-12.5度。青島より樹勢弱い。果実の大きさは中で青島温州より小さい。貯蔵性良い。クエン酸は12月上旬に1%程度になる。浮皮少なく青島より少ない。隔年結果は青島より少ない。筆者も栽培中で樹勢は良いおすすめ!育成者権の消滅日は2002/09/06。R
  • 十万温州 Juman Unsiu(収穫期12月上旬~12月中旬、可食期1月中旬~3月下旬)尾張系温州の枝変わり。高知県原産。長期貯蔵が可能で3月まで出荷できる。大果で果皮はやや厚く粗い、果実よくしまり浮皮少ない。糖酸多く貯蔵性大。樹勢中庸で直立性で分岐少なく荒い。葉は小さい。昭和28年登録。普通温州。隔年結果する。R
  • クレメンティン・・・生食よりジュース向き。スペイン原産。古い品種で栽培利点はないが、日本人受けする洒落た名前に惹かれて買う人もいる。分類上は雑柑だろうが性質はミカンに近い。R
  • まりひめ・・・12月下旬~。クレメンティンX南柑20号。樹勢やや強い。棘は無い。じょうのう膜の硬さは軟かい。甘味多い。前田美久雄が育成し全国農業協同組合連合会が2005年登録。2030年終了。正確には雑柑。
  • 白川温州 Shirakawa Unsiu(1月上旬~1月下旬)熊本県原産。糖度13度程度。酸度0.85%程度。別名金峰。樹勢強いが収量劣る。風味濃厚で優れる。青島×ヤラハタンゼロ。おいしい!雑種だがミカンとして扱われている。雑柑。
  • 大津五号 Otsu no.5 十万温州の珠心胚実生。神奈川県原産。昭和47年に選抜。
  • コウジ Kouji
  • 桜島子ミカン Sakurajima Small Mikan・・・R
  • 福来みかん(ふくれみかん) Fukure Mikan・・・縁起物R
  • タチバナ Tachibana

ポンカンの品種一覧

ポンカンはミカンとは別項目を立てました。ポンカンは薬との飲み合わせが悪いという流言がありましたが、果肉にフラノクマリンはほとんど含まれていないという検査結果があるようです。

  • 早香(はやか) Hayaka(12月上中旬)・・・一応、早生ポンカンらしい。今村温州×中野三号ポンカン。果実重150g。果皮の厚さは薄くむきやすい。じょうのう膜の硬さは中。甘味多く酸味少なく香気よく食味よい。種子入りやすい。果形指数138で果実重は140g程度。熟期12月上中旬。糖度13度以上。酸度は0.8度程度。甘味強く感じる。樹勢やや強い。病害虫や結実の問題少なく栽培容易。条件により種子増える。着色遅い。隔年結果性は中、浮皮果の発生はでやすい、貯蔵性は小。1972年交配。1990/12/05にみかん農林6号として登録。2008/12/06に育成者権が消滅。正確にはポンカンではなく雑柑。注目!R
  • ポンカンPonkan・・・ポンカンの総称。または品種不明のポンカン。太田、吉田、森田などがある。
  • 森田ポンカン Morita Ponkan(12月上旬~)・・・低梢系ポンカン。熟期が早生化したポンカン。樹勢弱い。樹は小さい。果実平均110g~140g。他のポンカンより小さい。じょうのう膜軟らかい。ポンカン独特の風味は高梢系と比べると弱い。12月上旬に完全着色する。従来の系統より熟期が10日~20日早い。酸味多く風味は濃厚で貯蔵性良い。種苗法に基づく登録日は1981/10/08。育成者権の消滅日は1984/10/09。
  • 吉田ポンカン Yoshida Ponkan(12月中旬~)・・・高梢系ポンカン。ポンカンは減酸早く豊産性で連年収穫でき糖度は11~12度。R
  • 太田ポンカン Ota Ponkan(12月中旬~下旬)・・・低梢系ポンカン。庵原ポンカンの枝変わり。果皮の着色及び果汁の減酸が早い早熟性の品種である。果形指数123程度。果実サイズ中大で葉果比100枚比にすると150g程度。果皮薄く剥きやすい。果汁多い。甘味中で酸味少ない。種子少ない。11月上旬から収穫でき11月下旬に8~9部着色、12月上旬にクエン酸1.0%程度になり12月上中旬に完全着色する。1月下旬にクエン酸0.5%となり淡泊となる。「庵原ポンカン」、「吉田ポンカン」及び「F-2428」と比較して、成熟期が早い。果葉比1:100。種苗法に基づく登録日は1983/05/30。育成者権の消滅日は1995/05/31。高知県原産。R
  • 興春ポンカン(こうしゅんポンカン) Koushun Ponkan(12月下旬~1月中旬)・・・果実重130g。小ぶりのポンカン。甘味は多(糖度13度)。香気中。食味優。種は5~15粒。果皮厚さ3mm。向きやすい。多汁ですあがりほとんどなし。樹勢強く直立性。隔年結果性中。ポンカンの交雑種。太田ポンカンより甘味多い。森田ポンカンより種子多い。1991/11/19登録。育成者権の消滅日は2009/11/20。
  • 今津ポンカン Imazu Ponkan (1月収穫の2月まで出荷)・・・高梢系ポンカン。貯蔵可能。
  • 大島1号(ユーポン)Yu-Pon(12月上中旬)・・・キャッチコピーが伊予柑風味のポンカン。宮内伊予柑に吉浦ポンカンを交配して育成された。12月上中旬に収穫できる。樹勢中。果実サイズ中、重さ軽。果皮の厚さ中。じょうのう膜軟らかい。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は中、香気の多少は多、種子数は中、胚の数は多胚である。隔年結果性はやや低、浮き皮果の発生及び裂果の発生は無、貯蔵性は長である。太田ポンカンと森田ポンカンと比べて果実は球形。2000/12/22に種苗法に基づく登録。育成者権の消滅日は2009/12/23。正確にはミカンではなく雑柑類。

  • タンゴール類の品種一覧

    タンゴール類とは、みかんとオレンジ類を交配した品種のことです。オレンジの風味がする品種が多くおいしいです。

    • みはやMihaya(11月下旬)・・・{津之望×No.1408}×{(アンコール×興津早生)×(清見×イヨカン)}樹勢は中。みかんよりカロチンが10%ほど高い。かいよう病に少し弱い。棘は小さく少ない。アンコールに似た芳香を持つ。ミカンと比べて剥きにくい。果実平均190g。果実の2/3以上が種なし果となり、じょうのう膜はやや軟らかい。隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。2014/09/30登録。品種登録の有効期限は30年である。筆者が苗木を見て確かめたところ、確かに棘は小さいが1節ごとに1個ずつ付いていた(ので購入は見送った)。芳香あり。R
    • はれひめHarehime(12月上旬)・・・(E-647(清見×オセオラ)×宮川早生。果実重180g。樹勢は中。果皮4mm程度。皮むきやすくじょうのう膜薄く食べやすい。。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は短である。糖度10%。酸度0.7~0.8%程度。減酸早い。他品種の花粉かからなければ無核となる。2004/06/04登録。品種登録の有効期限は25年である。国華園のカタログに最高糖度13度と記載。R
    • 津之輝Tunokagayaki(1月中旬~2月上旬)・・・(清見×興津早生)-No.14×アンコール。樹勢中。果実重250g。そうか病には強く、かいよう病にはかなり強い抵抗性がある。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生は軽度。じょうのう膜やわらかい。減酸早い。糖度13%。完全種子数1~2個程度。果汁中~多。皮むきやすい。アンコールに似た香り。熟期は露地栽培で1月中旬から2月上旬。無加温・少加温施設栽培に適す。果皮の厚さは極薄、果皮歩合は極小、剥皮の難易は中、じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は濃橙、果汁の多少は多、甘味はかなり高、酸味は中、香気の多少は多、種子数は少、発芽期はやや早、開花期はやや早、成熟期は早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は中、貯蔵性は中である。冬季-4度以下にならない環境が栽培に適している。2009/03/19登録。興味深い!R
    • べにばえBenibae(12月中旬)・・・林温州・福原オレンジ-No.9×アンコール。果実重150g。樹勢は中。じょうのう膜薄く食べやすい。糖度13%。浮き皮なし。減酸早い。アンコールに似た香をもつ。そうか病に強くかいよう病にやや弱い。ステムピッティングは発生しない。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は細長、大きさは中、色は濃橙である。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は中、香気の多少は多、種子数は中、胚の数は単胚である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は中である。2008/03/18登録。品種登録の有効期限は30年である。R
    • 紅マドンナ(媛まどんな)=愛媛果試第28号Beni Madonna(12月中旬)・・・ 樹勢強い。棘の発生は中。果汁の多少は多、甘味はやや高、酸味は低、香気の多少はやや多、種子数は少、胚の数は単胚である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性はやや短。天草より種子少ない。南香より果皮歩合が小さい2005年品種登録。南香×天草。愛媛県の農家以外の栽培は禁止されている。濃厚!2015年~2016年頃スーパーで見かけるも高価すぎるためか庶民用のスーパーでは2017年~2018年頃にはほぼ見かけなくなった。
    • 南香(なんこう)Nanko(12月中下旬)三保早生×クレメンティン(みほわせ×クレメンティン) 。果実大きさ中、果実重130gのマンダリン。皮みかんよりややむきにくく肉質粗い。じょうのう膜は軟らかい。糖度13度。通常無核。酸味は中で減酸遅い。香気中。熟期12月中下旬。冬季落葉あり。1970年交雑。果実指数は110~115。1989/03/27みかん農林5号として登録。育成者権の消滅日は2007/03/28。
    • 津之望Tunokagayaki(12月中下旬)・・・樹勢やや弱い。棘は中。190g。果皮厚さ2.4mm。浮皮ほとんどなし。果汁多くじょうのう膜薄い。種子少ないが不完全種子は多く入る。隔年結果少。そうか病に強くかいよう病は中。糖度11.7度。清見×アンコール。2011年登録。2041年失効。R
    • ミホコールMihocall(12月中旬~下旬)・・・果実重150g~200g。みかんより大玉。玉ぞろいよい。浮皮発生なし。温州みかんにはない香りがある。じょうのう膜やや厚い。糖度11度~12度。酸度1%以下。食味良い。通常無核。樹勢やや弱く豊産性。熟期は12月中旬~下旬。三保早生×アンコール。1974年交配。1996年みかん農林10号として登録。
    • ハピネスオレンジHappiness Orange(12月中旬~下旬)・・・国華園の2018年カタログに登場。糖度14-15度で50g-70g。オレンジ香が素晴らしく豊産性のタンゴール。要霜よけ。じょうのう膜やわらかく食べやすくおいしい、スマイルカットするとカタログに記述。名前にオレンジがついているとまぎらわしいが、タンゴール。1苗4,860円(税込)だった。
    • はるみ(12月~1月)Harumi・・・果実重180~200g。じょうのう薄く柔らかい。種は実一個あたり平均2.1個入る。クエン酸は1.1%~1.6%。糖度は12度程度。熟期は1月。食味良い。樹勢中で直立性。刺少ない。そうか病抵抗性あり。かいよう病は中。ステムピッティング軽い。隔年結果性は高、浮き皮果の発生は中、裂果の発生は無い。清見×ポンカンF-2432。1999年登録。みかん農林12号。R
    • 甘平 Kanpei(1月中旬)・・・西之香×不知火のはずだったが実は西之香×ポンカンの実生。マンダリンタイプのかんきつで220gと不知火と同程度。樹勢は中。果実の大きさは中、果皮厚さかなり薄、じょうのうまく軟らかい。果汁の多少は多、甘味は高、酸味はやや低、香気の多少は中、種子数は無である。クエン酸1%程度で食味良好。関係者以外の栽培は禁止されている。隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は多である。かいよう病には注意を要する。種苗法に基づく登録は2007/08/07。品種登録の有効期限は30年である。せとか(流行は~2014年)の次の紅まどんなの次に2017年にもてはやされるも高価すぎるせいか2018年には庶民向けのスーパーではほぼ見かけなくなった。濃厚!
    • 西之香(にしのかおり)(12月下旬~1月上旬)・・・清美×トロビタオレンジ。樹勢は中。果皮薄く剥きやい。じょうのう膜薄い。果実重100g~180g。肉質柔らかく多汁。オレンジ香あり。減酸しやすく食味良好。西日本の乾燥地が適する。種子0個~5個と少ない。そうか病に強いがかいよう病に弱い。トリステザウイルス罹患性だがステムピッティングは軽い。糖度12度程度。クエン酸0.85程度。隔年結果性は中、浮き皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。2000/12/22登録(有効期限25年)。
    • たまみ・・・(1月上旬~)清見×ウィルキング。糖度12度。種あり。じょうのう薄い。オレンジのような香り。
    • 陽香(1月~2月)Youkou・・・果実重250g~300g。果皮薄くむきやすい。糖度12度から14度。クエン酸0.7%~1%程度。ポンカンに似た芳香あり。熟期1月~2月。樹勢弱く開張性。かいよう病への抵抗性強い。そうか病への抵抗性はみかんと同様かやや強い。清見×中野3号ポンカン。1997年登録。興味深い!
    • 麗紅(れいこう)Reikou(1月中下旬)・・・果実重210g。果皮厚さ2.3mm。皮むきやすい。肉質柔らかく果汁多い。じょうのう膜薄く糖度12%。減酸容易。オレンジとマーコットの芳香あり。熟期は1月中下旬。樹勢中。棘はあるが生長とともに発生しなくなる。結実良好。そうか病に強いがかいよう病にやや弱い。ステムピッティングの発生程度は多い。(清見×アンコール)-No.5×マーコット。2005年登録。R
    • あすみ Asumi(2月上旬)・・・糖度が極めて高く、食味が優れる中生カンキツ品種で施設栽培に向いている。種子は少しある。新梢の棘は多く長い。かいよう病に弱い。樹勢は中。隔年結果は中。果実150g。剥きやすさは中。露地栽培では着色しづらく緑斑が残ることもある。熟期は2月上旬で糖度は15.7%と柑橘類の中では高い。クエン酸量は1%程度。オレンジに似た芳香あり。裂果することもある。カンキツ興津46号(スイートスプリング×トロビタオレンジ)×はるみ。 2014/09/30登録。R
    • 佐賀果試35号(ハウスで1月下旬~)・・・不知火とはるみに比される柑橘。樹勢は中。棘は無。果皮の厚さは薄、果皮やや剥きやすい。じょうのう膜軟らかい。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無、発芽期は中、開花期は中、成熟期は早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は中である。登録年月日は2017/08/21。品種登録の有効期限は30年。
    • はれやか Hareyaka(2月)・・・アンコールに中野3号ポンカンを交配して得られたと推定される交雑実生から選抜、育成されたものである。樹勢強い。かいよう病には強い抵抗性を、そうか病にはかなり強い抵抗性を示す。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生は軽度である。果皮の厚さは薄,剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは中。果汁の多少は中、甘味は多(糖度12~13度)、酸味は中、香気は多である。果実重200g程度。ポンカンに似た香り。15個程度の種子入る。むきやすい。隔年結果性は中、浮皮果の発生はでにくい。熟期2月で糖度13度。酸度1%。直立性で樹勢強いので誘引が必要。1972年交配。1996/08/22にみかん農林9号として品種登録。育成者権の消滅日2014/08/23。興味深い!R
    • はるひ(2月)・・・日向夏に似たさわやかな風味。興津46号(スイートスプリング×トロビタオレンジ)×阿波オレンジ。露地栽培で熟期は2月ごろ。1個150g。皮剥きやすい。糖度13%。果皮厚み3mm。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は多。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は中である。日向夏より果皮厚い。2011/03/18登録。品種登録の有効期限は30年である。R
    • せとかSetoka(2月上旬~下旬に成熟)・・・(清見×アンコール)にマーコットを交配して育成されたもの。棘多く長さは中。枝梢は密。隔年結果中。完全着色は12月中旬。糖度は13度程。種は実1個あたり平均2.7個入る。クエン酸は1.89%程度。樹勢弱~中。果汁の多少は多、甘味は高、酸味及び香気の多少は中、種子数は少、胚の数は多胚である。隔年結果性は中、浮き皮果の発生及び裂果の発生は無、貯蔵性は中である。そうか病かいよう病に強い。ステムピッティングの発生度は高い。2001年登録。国華園のカタログでは収穫期は1月下旬からと記載。種苗法に基づく登録は2001/10/18。品種登録の有効期限は25年である。おいしい!R
    • あすき(12月~1月)Asuki(3月)新品種・・・カンキツ興津46号とはるみの交配。2017年発表。樹勢中。棘小さい。隔年結果性は小。かいよう病は「あすみ」より少ない。果実は180g。糖度16度。酸度1.2%。種子平均3月。大分県はミカンに分類しているが、ポンカンとミカンの血統である。ドリップの量はオレンジ並み。
    • あけみ(朱見)(3月)Akemi・・・果実重160g~180g。果皮3mm~4mm。棘多い。じょうのう膜は中。やや剥きにくいが清見ほどではない。減酸遅い。隔年結果性は中、浮き皮果の発生及び裂果の発生は無、貯蔵性は中。糖度やや高い。酸味中。香気少。種子少。熟期は3月。樹勢やや強く開張性。結果よい。そうか病抵抗性あり。かいよう病抵抗性かなり強い。ステムピッティングは軽微。清見×セミノール。1999年登録。2024年失効。R
    • サザンレッド(3月下旬)Southern Red・・・果実重120g。果皮薄い。外観美麗。施設栽培で糖度高く多汁で食味風味がより良くなる。糖度2月下旬で14度以上。剥きやすさは中程度。じょうのう膜やや軟らかい。苦みあまりない。果汁の多少は多、甘味はやや多、酸味及び香気の多少は多、特臭はオレンジ香、種子数は多、胚の数は単胚である。樹勢やや強くやや直立性でかいよう病に弱い。無加温ハウスでは果実重150gの糖度12月下旬で13度。カラ×ポンカン。1974年交配の1995年みかん農林8号として品種登録。育成者権の消滅日は2013/08/18。
    • せとみ(3月上旬~中旬に成熟)Setomi・・・清見に吉浦ポンカンを交配して育成されたもの。樹勢は中。果皮の厚さは厚、果皮歩合及び剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は濃橙。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は中、香気の多少及び種子数は少、胚の数は多胚である。隔年結果性は高、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。種苗法に基づく登録は2004/03/03。品種登録の有効期限は25年。
    • 清見オレンジKiyomi Orange・・・宮川早生×トロビタオレンジ。日本初のタンゴール。皮向きやすさは中。多汁でオレンジ香。風味優。熟期は3月中下旬。1個重200g。糖度11~12度。酸度1%。3月中旬~5月まで出荷。1949年交配。R
    • デコポンDekopon・・・品種は不明だが園芸店でこの名前で売られている。
    • 安芸の輝き(デコポン)Akinokagayaki・・・広島県の品種。樹勢やや強い。果皮の厚さは厚、果皮歩合は中、剥皮の難易は中、じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は橙、果汁の多少は多、甘味は高、酸味は中、香気の多少は少、種子数は無、発芽期は中、開花期は早、成熟期は早、隔年結果性は中である。不知火に比して成熟期が早い。2009/03/06に種苗法に基づく品種登録。品種登録の有効期限は30年。
    • シラヌヒ(デコポン)Shiranui・・・不知火。基準を達成した不知火はデコポンとして販売される。高いもので糖度15度。おいしい!R
    • 肥の光(デコポン)
    • 肥の豊(デコポン)Hinoyutaka(1月下旬~2月上旬に成熟)・・・早生デコポン。不知火にマーコットを交配した珠心胚実生の中から選抜・育成したものである。樹勢強く棘の多少は多。果皮の厚さは中、果皮歩合は小、剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は橙である。果汁の多少は多、甘味は高、酸味及び香気の多少は中、種子数は少、胚の数は多胚である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は長である。不知火と比して樹勢強く棘が多い。2003/03/26登録。品種登録の有効期限は2028年。R
    • M16(デコポン)・・・ウィルスを取り除いたデコポン。M-16というCTVの弱毒株が付与されておりそのウイルスで強毒性のウイルスの繁殖を阻止しようというもの。おすすめ!R
    • 太陽の恵み(デコポン)Taiyounomegumi・・・(1月)果皮黄色。230g。糖度13-14度。不知火と形は同じ。国華園で入手可能。
    • 聖秀Seishiu・・・デコポンの形をした柑橘。樹勢強い。棘は無い。果皮の厚さは中、じょうのう膜軟らかい。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は中、香気の多少は中、種子数はやや少、成熟期は早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は少である。肥の豊より果皮が濃橙。登録年月日は2017/06/14。有効期限は30年。 熊本県葦北郡芦北町佐敷のあしきた農業協同組合が申請。
    • とげなしせとか…正確には棘が小さいせとかでありトゲが無いわけではない。R
    • 天香(あまか)Amaka・・・果実重200g~250g。糖度12度程度。クエン酸0.8程度(圃場により異なる)。皮むきやすい。じょうのう膜非常に薄い。肉質柔らかく多汁。無核果がほとんどで単為結果性強い。乾燥土壌で本来の品質になる。樹勢中で開張性。刺は無い。隔年結果性は中。浮き皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は中。結実よく栽培容易だが樹勢の低下が指摘される。かいよう病抵抗性強い。そうか病はみかん並み。トリステザウイルスは罹患性。ステムピッティングやや軽い。アンコール香とオレンジ香を混ぜたような香。清美×アンコール。1999年登録。2024年終了。みかん農林13号。冬季温暖地が栽培に適する。2019年にネット販売があったのだが2020年の販売は限定的であり入手が困難。R
    • 星タンゴール Star Tangor・・・(4月中旬~5月)別名サマー清見(Summer Kiyomi)。じょうのう薄い。酸味少な目。ジューシー。R

    オレンジ類の品種一覧

    温暖地に適し中間地での栽培は難しいが、温暖化により近年栽培可能になりつつある。

    • キノット・・・イタリアの柑橘。実は小さく苦い。果実酒の原料になる。キノットジュースの代表にCHINOがある。
    • ジャッファ・オレンジ・・・イスラエルの柑橘。無核で品質のよいオレンジ。ジャッファ・オレンジの味を知るにはセゲブの缶詰が日本でも買えるのでおすすめ。ジョッパオレンジと同一種か。
    • ジョッパ・オレンジ・・・Joppa。アメリカ原産のオレンジ。1877年にカリフォルニア州のChapmanにより種まきされた。果実重200g、直径7cmの球形。果皮厚み4mm。日本での熟期は2月。
    • ネーブルオレンジ・・・オレンジの一品種でネーブルオレンジの品種の総称。底部にへそがあることからネーブル(へそ)と呼ばれる。果実はカリフォルニアから日本に輸入される。広島県の生産量が最も多く、特に瀬戸田町が一大産地。糖酸が調和する。品種にワシントン、トムソン、ナベラーテ、バイアニーニャ、鈴木、丹下、福本(アメリカにも福本オレンジとして苗木がある)、楠本、清家、森田、白柳がある。アメリカでは「早生オレンジ」に位置づけられる。R
    • 清家ネーブル・・・220-250g。長円形。貯蔵できる。1976年登録。樹勢中。12月上中旬収穫の2月下旬~3月下旬が熟期。R
    • 森田ネーブル・・・250g。卵型。1976年登録。3月~4月まで貯蔵可能。12月上中旬収穫。おすすめ!ではあるが小玉で皮が厚く似たような風味のデコポンのほうがコタツで食べやすいと思える。一時は筆者もネーブルが欲しいと思ったが寒い時期に洗い物が増えることを思うと栽培する気になれなかったが結局苗木を買ってしまった。部屋に漂うオレンジ香がたまらない。R
    • 白柳ネーブル・・・250g-280g。糖度12.5度。酸味少なく甘い。貯蔵性はない。毎年皇室に献上される。国華園で入手可能。R
    • 山見阪ネーブル・・・(12月)糖度11-12度。220g-250g。12月下旬まで実らせておくと糖度13-14度になると国華園のカタログに記載。R
    • 大三島ネーブル・・・昭和35年に愛媛県大三島で発見。200g以上。糖少ないが酸味も少ない。隔年結果性少ない。貯蔵性あまりない。11月中旬から12月上旬収穫の1月下旬~3月上旬が熟期。
    • ワシントンネーブル・・・明治22年。200-250g。球形。糖酸調和。樹勢弱い。12月下旬収穫の2月下旬~3月下旬が熟期。R
    • ヤハラ・・・R
    • 福本紅ネーブル・・・R
    • ナベリーナ・・・(2月上旬~)ネーブルオレンジ。スペイン原産。皮薄くむきやすい。糖度12度。種なくじょうのう薄い。果実重120g-170g。R
    • バレンシアオレンジ・・・オレンジの一品種。スペインのバレンシアやカリフォルニア州のサンタナが産地。かいよう病に弱く回青現象のため袋かけが必要となる。和歌山県と神奈川県で生産される。ネーブルオレンジより酸味を感じる。糖度10-12度。果実重150g-200g。熟期は6月~7月。超晩生!アメリカでは晩生オレンジに分類される。R
    • フロスト オレンジ・・・R
    • トロビタオレンジ・・・R
    • ノバ オレンジ・・・R
    • 福原オレンジ・・・1909年頃、ユズにジョッパを高接ぎして発生した品種。千葉県原産。1930年に新品種として確認された。日本での熟期は3月~5月。R
    • ブラッドオレンジ・・・ブラッドオレンジの総称。アントシアニン含む。Sanguinello、タロッコ、モロが三大品種。オレンジのなかでは小ぶりの果実である。R
    • タロッコ オレンジ・・・ブラッドオレンジ。Sanguinelloの変異であるとされる。イタリア原産。生食できる。R
    • モロ オレンジ・・・ブラッドオレンジ。シチリア原産。ジュースに適する。R
    • ベルガモット・・・DNAからマンダリンオレンジとダイダイの交配種であるといわれる。精油を抽出して香料にされる。イタリアのカラブリア州が主要産地。寒さに弱い。非常に苦みが強いため生食には向かない。収穫期は11月~2月。R
    • マンダリンオレンジ・・・マンダリンオレンジの総称
    • カラマンダリン・・・R
    • 佐賀マンダリン(サガマンダリン)・・・R
    • ヒックソンマンダリン

    ブンタン類の品種一覧

    耐寒性は一時的に-3度まで。温暖地に適し中間地での栽培は難しい。
    • 瑞季(みずき)新品種・・・樹勢中。梢は細い。棘多い。じょうのう膜は中。剥きやすさは中。甘みやや多い。酸味少ない。果汁多い。成熟期やや晩。隔年結果性は低。無核。土佐文旦より小さい。2019年に広島県が登録。2049年失効。
    • 安政柑・・・R
    • 河内晩柑・・・果実重250g~500g。熊本県原産。わずかに苦みある。R
    • 晩白柚・・・とても大きなブンタン。R
    • ブンタン(ザボン)・・・単にブンタンと書かれた品種不明のもの、あるいはブンタンの総称。R
    • 獅子柚子・・・でこぼこしたブンタン。R
    • 土佐文旦(パール柑)・・・R
    • 紅まどか(べにまどか、紫ざぼん)・・・果実重700g~1000g。果皮に赤みを帯びる。肉質よく苦み少ない。熟期は1月中旬から2月。文旦の中では耐寒性強い。後期落果少ない。樹勢強くかいよう病に強く栽培容易。麻豆ブンタン×平戸ブンタン。1962年交配。ぶんたん農林4号として1993年登録。温州みかんより平均気温が高い冬季温暖で風当りの弱い土地に適する。R
    • サワーポメロ大橘・・・果実重500g~600g。甘酸適和で食味よい。熟期は2月下旬~3月。国華園のカタログには1月~2月と記載。
    • メイポメロ・・・果実重500g~600g。さわやかな苦みあり風味良。熟期は4月下旬~6月。果皮厚さ11mm。樹勢強くそうか病かいよう病に強く耐寒性強い。ハッサク×平戸ブンタン(ハッサク×ひらどブンタン) 。1946年交雑。1985年登録。R
    • イエローポメロ・・・果実重500g~600g。熟期5月下旬~6月。肉質よく多汁で風味よい。果皮厚さ11mm。耐寒性強い。かいよう病に弱く後期落果多い。ハッサク×平戸ブンタン。1946年交雑。1985年登録。R
    • チャンドラポメロ・・・果実重1000g~1500g。果肉ルビー色。果皮黄色。酸味少ない。収穫期は1月下旬~。R
    • はやさき・・・果実重600~1000g。熟期12月下旬~1月。肉質柔らかく多汁。糖度高く食味良。麻豆ブンタン×平戸ブンタン(まとうブンタン×ひらどブンタン)。1962年交雑。1988年登録。R
    • 弓削瓢柑(ゆげひょうかん)、西郷・・・縦に長い柑橘。R
    • 仏手柑(ブッシュカン)・・・縁起物。装飾向け。R

    香酸柑橘類の品種一覧

    レモンやすだち、柚子に代表される、酸度の高い柑橘類です。生食よりも、調理に適した柑橘です。

    スダチ

    • スダチ・・・スダチの総称。または品種不明で単にスダチとして売られているもの。R
    • リマンスダチ
    • ゲンコウ・・・R
    • 少核スダチ
    • 無核スダチ・・・徳島3X1号(三倍体)。
    • 無棘有核スダチ・・・徳島1号(S50)、本田系(S47)、神山4号(S50-52)など。
    • 無棘無核スダチ・・・新居系、佐藤系。Sサイズ以下はほとんど無核。大果が望まれる。
    • 有棘有核スダチ・・・オンスダチ。大東、速水など。刺が大きい。
    • 有棘無核スダチ・・・森岡系。刺が大きい。

    カボス

    • カボス・・・カボスの総称。あるいは品種不明のカボス。R
    • カボス大分一号・・・R
    • 無核カボス(収穫可能時期は8月~、熟期は10月下旬)・・・無核カボスの総称。または品種不明の無核カボス。
    • 無核カボス祖母の香・・・種なしのカボス。普通系カボスの枝変りで種子数の極めて少ないカボスである。開張性で枝しょうが下垂ぎみ。樹勢は普通カボスより弱い。果皮は普通カボスより薄く、果汁は極めて多く(果汁割合50%程度)、甘味・酸味とも中で、香気は強い。完全種子数は1果平均1.4個程度であるが、無核果率は約40%で、シイナ数は平均3.9個である。単為結果性は高く、隔年結果性、果実着色の難易、生理落果は中である。浮皮はなく、貯蔵性は中である。普通カボスより果実小さい。1984/03/19登録。育成者権の消滅日は1995/03/21。R
    • 香美の川(収穫可能時期は8月下旬~収穫可能、熟期は10月下旬)・・・種なしで販売されているカボス。普通系カボスの枝変りで種子数が極めて少ない。樹勢は中。祖母の香より果皮なめらか。果皮の厚さは薄、じょうのう膜の硬さは軟である。果汁の多少は多、甘味は少、酸味は中で、香気は中である。完全種子数は極少(1果平均0.3個)であるが、無核果率は約70%で高く、シイナ数は極少(1果平均0.8個)で有核種から受粉しても有核にならない。単為結果性は高く、隔年結果性は低く、果実着色の難易は中である。浮皮はなく、貯蔵性は中である。1986/08/26登録。品種登録の失効日は1994/08/27。大分県原産。R

    柚子

    日本を代表すう香酸柑橘。CTV感受性高い。
    • 本柚子・・・本物の柚子。R
    • 鬼柚子・・・本柚子の別名。
    • 鬼頭柚子・・・本柚子の別名。
    • 山根柚子(早成ゆず)・・・本柚子の中では非常に成りはじめが早い。R
    • 多田錦・・・本柚子の中では極小。80gの種無し柚子。R
    • 花柚子・・・柚子ではないが、柚子に似たこぶりの柑橘。一才ゆず、ハナユまたはハナユズと言われる。R

    ライム

    ライムにもさまざまな種類があります。伝統的な栽培方法では品種はクローンで固定されず実生から作られカレーのチャツネなどに用いられます。
    • ライム・・・単にライムとして品種不明で売られているもの、あるいはライムの総称。R
    • カフィアライム(コブミカン)Lime Kaffir (Citrus Hystrix)・・・インド~バングラデシュ、マレーシアやタイでも生産される。日本ではコブミカンと呼ばれる。果皮に凹凸がある。別名バイマックル。凹凸のある果皮が特徴。スパイスやジュースに。収穫期は6月~9月。東南アジアの料理に使う。R
    • クサイライム・・・果重40g。糖度8.1%。酸度6.65%。熟期12月。
    • タヒチライムLime Tahitian・・・耐寒性あり、種なし。1824年にオーストラリアに導入され、1800年代にオーストラリアを経由してブラジルに伝えられたと考えられる。1850年~1880年の間にタヒチを経由しアメリカに輸入されたためタヒチライムと呼ばれる。真のライム(トゥルーライム)の風味である。チュニジアの ジェルバ島のDjerba (Tunisia)と同一品種。シトロンとの交配種(ハイブリッド)と考えられている。(筆者調べ, 2018年)R
    • フィンガーライム・・・珍しく高価。ピンクと赤の果肉がある。R
    • メキシカンライム(キーライム) Mexican Lime・・・小さなライム。別名バーテンダーライム。インド、エジプト、メキシコではクローンでなく実生で栽培される。R
    • ペルシアンライム Persian Lime・・・日本には無い品種。メキシカンライムより大きい。ウッドポケット(うろが生じる病気)をなくすために新しい品種が開発され1960年代頃にカリフォルニアに導入され旧ペルシアンライムと置き換えられた。ライムとレモンのハイブリッドの可能性が高いといわれている。キーライムより香り弱い。貯蔵性がある。酸味はライムより弱い。ペルシャ地域の固有品種という説と、ペルシャを経由した説とがあるが、ペルシャにタヒチライムは見つかっていないことから経由説が濃厚という説や、実際にイランとイラク南部で大規模に栽培されていたという説(wikipedia)まである。
    • ベアーズライム Bearss Lime・・・日本には無いと思われる品種。タヒチライムを起源にもつの実生の木の実生。
    • ページライム Page Lime・・・日本には無いと思われる品種。ベアーズライムと同一種であると考えられている。
    • ポンズライム Pond's Lime・・・日本には無い品種。1914年、ホノルルのDamon氏の庭で発見されたライム。
    • ライムクワット・・・交配種(ハイブリッド)。Walter Tennyson Swingleが1904年にキーライムとkumquatを交配した。日本にも苗木は存在すると思われるが、市販されていないと思われる。Tavares limequat、Warren limequat、Perrine lime hybrid、Lemonime lime hybrid、Eustis limequat、Eustis limequat、Addanimma lime hybridなどがある。

    レモン

    レモンの耐寒性は-3度程度までです。-1~-2度で花や果実が傷みます。

    • レモン・・・品種は不明だが園芸店で単にレモンとして売られているレモンとレモン苗の総称。R
    • リスボンレモン・・・果実重155g。果皮厚み6.4mm。酸含有量8.1%、糖度9.2%。果汁率40%。平均種子数8.1個。香り多い。1824年にポルトガルの(Gallego種と思われる)種子がオーストラリアで植えられたことが起源といわれる。1853年に既にアメリカのWarren and Sons Nursery のカタログにリスボンが載っていた。現在のリスボンはオーストラリアから1875年に二度アメリカへ輸入されたものである。生産量はユーレカに次いで、カリフォルニア、アリゾナ、アルゼンチン、ウルグアイ、オーストラリアがお主な産地。ユーレカより耐寒性がある。ユーレカより果実大きく果汁と酸味は同等。リスボンにはFrost、Monroe、Prior、Rosenberg、Dr. StrongとWalkerという品種がありLimoneira 8 Aは1940年代に開発された耐病性品種で(1966年登録)とYen Benは1930年代に開発され1978年に人気となった。日本のリスボンがどの品種を指すかは不明。ユーレカよりも果皮の凹凸がなめらか。(筆者調べ, 2018)R
    • ユーレカ・・・豊産性で四季なりともいわれる。(オーストラリアの)スーパーマーケットで売られているレモン。リスボンレモンより温暖を好む。日本のユーレカがどの品種を指すかは不明。アメリカにはCorona Foothill Eureka Lemon(コロナフットヒルユーレカレモン, 1954)などがあり年間を通じて栽培される。ユーレカはイタリアを起源とする種子が1958年にアメリカに植えられる。数年後にAndrew Boyle(アンドリュー・ボイル)と CR Workman(ワークマン)が選別。1877年頃、Workmanがこれらの実生からGarey's Eureka(ギャリーズユーレカ)を広め、リスボンに匹敵するほどになりユーレカは現在レモンの世界的主力種となる。ユーレカはイタリアのLunariという種に起源をもつといわれている。カリフォルニア州ではAllen(日本においてはアレンユーレカと呼ばれる)、Cascade(カスケイド)、Cook(日本においてはクックユーレカと呼ばれる)、Meek(ミーク)、Ross(ロス)そして Wheatley (ウィートレーイ) または Thornton(ソーントン)などが栽培されている。ユーレカはRossを除いてほとんど区別できない(筆者調べ, 2018, カリフォルニア大学リバーサイド大学校より引用)。
    • アレンユーレカ・・・グリーンレモンとして収穫できる。リスボンレモンより温暖を好む。R
    • ビアフランカ Via Franca・・・棘無しレモンといわれる。リスボンレモンより開張性でリスボンレモンより温暖を好む。さまざまな飲食品に加工される。樹皮も食用とされる。レモネードの主原料。シトラス×レモン。シチリア原産と思われている。長らくフロリダの主力品種でしたが最近はBearss'(Sicilian)に置き換わっている。ビアフランカはイスラエルとアルゼンチン北西部で商業栽培される。(筆者調べ, 2018)R
    • トゲなしレモン・・・品種は不明だが園芸店で売られているレモン。棘が少ないと思われる。筆者の地元では果実100g~130gと書かれていた。R
    • マイヤーレモン(メイヤーレモン) Meyer lemon・・・果皮厚み4.6mm。香り多い。果実重169g。果肉歩合73%。糖度7.9%。酸含有量6%。平均種子数21.7個/1個。簡単!筆者も育成中であり結実良好で1月でも収穫可能。果皮利用のため袋掛け栽培を推奨したい。USDAの植物探検家(Plant Explorer)のFrank N. Meyerにより北京の近郊で発見され1908年にアメリカに導入された。オレンジとレモンの交配種(ハイブリッド)またはマンダリンとレモンの交配種と考えられ純血種のレモンではない。改良前はトリステザ(tristeza)ウイルス罹患性だが改良後は罹患していない。日本の感染はどうなっているのか不明。メイヤーレモンは風味が独特であるがアメリカではほとんどの人が好ましいと考えている。マイヤーレモンで最高のレモネードが作れるという人もいる。絶賛する人も。著名な女性料理家の紹介によりアメリカの家庭にマイヤーレモンが広まった。商業生産には適していない。R
    • 四季柑(チャイナリトルレモン)・・・純血種のレモンではない。R
    • ジャンボレモン(ポンテローザ) Ponderosa・・・四季成。種あり。正確には雑柑と思われる。栽培容易で酸味弱い。筆者の地元の直売所で売られているが、試食コーナーを設けても人気がない。シトロンとレモンの交雑種(ハイブリッド)と考えられている。メリーランド州ヘイガースタウンのGeorge Bowman(ジョージ・ボウマン)が育てた苗として1887年に誕生。皮が厚くレモンの代用品や装飾用としてアメリカで利用される。R
    • レモネード Lemonade・・・交配親不明の甘いレモン。矮小で豊産性。ニュージーランドの家庭菜園で人気がある。筆者が見たところ、棘は1.5cmほどで少ないが細くて鋭い。
    • スイートレモネード・・・酸味がレモンの五分の一。甘く感じる。果実重100g。収穫期は2月。レモネードという品種かどうかは不明。R
    • スイートレモン・・・正円形の果実。R
    • 赤皮赤肉ミニレモン・・・品種は不明だが園芸ネットでこの名前で売られているレモン。
    • 竹井ゴールドレモン・・・レモンより少し細長い形状。
    • 赤レモン・・・品種は不明だが園芸店でこの名前で売られている。R
    • ピンクレモネード・・・葉も果皮も班入りで丸い形のレモン。果実重80g-110g。もしかしたらPink-Fleshed Eureka Lemonか?だとすれば1931年にカリフォルニアバーバンクにある個人の邸宅で発見された観賞用レモン。R
    • 璃の香(りのか)新品種Rinoka・・・樹勢強い。棘多い。隔年結果性は低い。貯蔵性は中。浮皮果の発生は無。マイヤーレモンより皮黄色い。かいよう病に強く、豊産性のレモン品種。従来のレモン品種より果実が大きく酸味がまろやかなうえ、搾汁率が高く果汁製品など幅広い加工用途が期待できます。リスボンレモン×日向夏。酸含有量は5.6%とリスボンの9.2%に劣る。糖度はリスボンレモンと同等の9.2度。果肉歩合は79.3%とリスボンより10%高い。種子平均数は5.3個とリスボンレモンより平均3個少ない。果実重は198gとリスボンより40g大きい。果皮厚みは3mmとリスボンの6.4mmより薄い。搾汁率50.1%。香りはリスボンとマイヤーレモンの多に比べて中。2015年登録。純血種のレモンではなく交雑種である。少し私見を述べると棘小さいが果実付近に生えており袋掛けすることができない(必ず棘が手に刺さった)。筆者は2019年秋に苗木を購入し2020年に鉢植えにて初結果した。皮は明るいレモンイエロー。果実の大きさはスーパーで売ってるレモンよりも大きかった。見た目が明るく美しくてとても気に入った!R
    • イエローベル Yellow Bell・・・樹勢強く棘は極多。果汁の多少は多、甘味は低、酸味は中、香気の多少は中、種子数はかなり少、発芽期は早、開花期は早、隔年結果性は低、貯蔵性は長である。リスボンとビアフランカと比べて球形。登録年月日は2012/03/23で有効期限は30年。
    • レモンシードレス あや(R) Aya seedless lemon・・・2018年の国華園カタログで3,564円(税込、1年苗)での販売を確認。そのカタログでは1個100g-150gで周囲に文旦やその他雑柑類があっても完全に種なしと書かれていた。収穫時期は9月から順次。筆者の地元の園芸店のカタログには「ビアフランカ系で棘は小さく短く少なく丈夫で栽培しやすい。四季咲き性で豊産性で香り良くジューシー。果実サイズ130g。」と書かれていた。商標登録済みなので名称を用いて勝手に販売すると問題があると思われる。
    • レモン21 Lemon21・・・2019年の国華園カタログで1501円で販売を確認。糖度高く果汁2倍とある。2020年に筆者の地元のホームセンターでも販売を確認。1苗6号鉢で1980円だった。
    • 瀬戸内レモン Setouchi lemon・・・2020年秋に地元の園芸店で販売を初確認。カタログには「レモンの中で最も耐寒性がある」と書かれていた。説明を引用すると「瀬戸内で栽培されてきた石田系のレモンと、とげなしレモンからの優良個体選抜品種(前記二者の交配種という意味か)。樹勢強くかいよう病に強く、棘が無いので実に傷が付かず、収穫もしやすい。レモンの中で最も耐寒性に優れ、大実系で営利栽培にもおすすめです。果実は大きく果汁多く香りが良い品種です。」と書かれていて1株3980円で売られていた。

    その他香酸

    • 木酢(貴酢) Kizu・・・北九州の品種。R
    • ミニマートル1号・・・果実重12g。糖度10度。酸度5%。熟期3月。樹勢弱くわい性で生育が緩慢。鉢物に適する。クサイライム×マートルリーフオレンジ。2008年登録。
    • 阿波すず香・・・本田系スダチの四倍体と山根系ユズ(二倍体)の交配によって得られた三倍体香酸カンキツ。樹勢強く棘多い。果皮の厚さは厚、果皮歩合は極大、剥皮の難易は難、じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは小、さじょう(果肉)の色は黄橙、果汁の多少は多、甘味は中、酸味は中、香気の多少は多、種子数は少、発芽期は中、開花期は中、成熟期はやや早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は少である。山根柚子より重量軽く種子少ない。2017/09/28登録。品種登録の有効期限は30年である。
    • ジャバラ(邪払)・・・柚子の近縁種。和歌山県東牟串郡北山村原産。耐寒力はゆずに次いで強い。香気はわずかにゆず香のある弱い九年母臭で、ゆず類、すだち、きず、かぼす等と異なる。貯蔵性は極めて高く、簡単な貯蔵で11月頃から翌年4~5月頃まで貯蔵しても果汁の減少は極めて少なく、風味も減退しない。果汁多く搾汁容易でジャバラジュースに加工される。ジャバラの収穫時期は和歌山県において11月10日から北山村で100tほどの生産量があります。種苗法に基づく登録は1979/11/01。品種登録の有効期限は1991/11/02年である。R
    • 清岡橙Kiyooka Daidai・・・ジャバラより九年母臭がする柚子の近縁種。登録年月日は1981/10/08。品種登録の消滅日は1996/10/09である。高知県の清岡氏が発見・申請。
    • 三宝柑・・・紀州のお殿様以外に食べることが許されなかった献上柑橘。さっぱりとしている。R
    • シークワーサー・・・沖縄の柑橘。R
    • シトロン
    • ダイダイ(橙)・・・品種は不明だが、園芸店でこの名前で売られている。R
    • スダイダイ
    • 新姫
    • 平兵衛酢(ヘベズ)・・・ミカンよりやや耐寒性ある。宮崎産。種が少ない。果実重40g-60g。収穫期は8月~10月。幼木若木は分岐部が裂けやすい。冬の強風で落葉するので風当たり弱いところがよい。R
    • 柚柑(ユコウ)・・・またはゆうこう。
    • 東京オレンジ(かんきつ中間母本農6号)・・・果実重120g。 強い不稔性を示す。果皮厚さ3.5mm程度。じょうのう膜やや柔らかい。浮く皮の発生なし。むき易さは中くらい。糖度12度(花ひろばの発表は14度)。シネフリンとカロテノイド、フラボノイド含有量が高い。酸度1.1。花ひろばオリジナルといわれる品種だがどうオリジナルなのかは不明。元爽快マイオレンジ。種無し。棘なし。熟期1月下旬~2月。「キング」マンダリン×無核紀州。果樹試験場興津支場で1986年に交配された。2004年登録。R
    • かんきつ中間母本農8号・・・果実重170gで結実良好。クエン酸は4%~5%と酸味強い。糖度は11度程度。カラタチ臭はほとんど無し(ということは僅かにありという意味か)。種子3~5個程度入るが花に袋かけをすると単為結果性が強い。果皮厚み2.8mm程度。カンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性がある。樹勢中で開張性。かいよう病に弱い。清見×H・FDー1(きよみ×H・FDー1(ハッサク×ヒリュウ)) 。2006年登録。
    • かんきつ中間母本農4号・・・果実重136g。香酸カンキツに属する。四倍体。ユズ香。太く長い棘を有する。糖度13%クエン酸5%程度。種子数4.5。ユズ+大三島ネーブル(細胞融合)。1997年登録。

    グレープフルーツ類の品種一覧

    独特の苦みと酸味のある柑橘。酸度が少し高く、砂糖をかけて食べる人も。
    • オランジェロ・・・グレープフルーツとオレンジの交雑種といわれる。プエルトリコ原産。グレープフルーツと食べ方は同じで皮はグレープフルーツよりむきやすい。
    • グレープフルーツ・・・品種は不明だが園芸店でよく売られているグレープフルーツまたはグレープフルーツの総称で種類は多い。西インド諸島が起源とされる。ブンタンとオレンジの交雑種。ブドウのように木に実ことからグレープフルーツといわれた。R
    • マーシュ・・・R
    • ダンカン(2月下旬~3月)・・・グレープフルーツ。果皮も果肉は黄色。収穫期は2月下旬~3月。耐寒性比較的強い。国華園にて入手可能。
    • スタールビー(3月~5月)・・・果皮黄色で赤実のグレープフルーツ。カロテン豊富。苦味酸味少ない。収穫期は3月~5月。R
    • ルビーレッド
    • オロブランコ(スイーティー)・・・正式名称はオロブランコ。イスラエル産の果実をスウィーティーと呼ぶ。グレープフルーツとブンタンの交雑種。酸味が少なく甘みが強い。日本では冬季に店頭に並ぶ。スイーティーの食味評価はこちらのレポートをご参考ください。R
    • メロゴールド・・・グレープフルーツの一品種。
    • サガンルビー・・・グレープフルーツの一品種。佐賀大学が発明した国産のグレープフルーツ。皮は黄色、果肉はピンク。1果は400gの重さ。酸味あり。2022年3月頃より5月頃にかけてスーパーで2玉500円程度で市販されているのを見た。

    タンゼロ類の品種一覧

    タンゼロ類とは、ミカンに文旦を交配した品種のことです。
    • ひめルビー(エクリーク65) Hime Ruby(12月下旬) ・・・オレンジのモロと太田ポンカンの珠心胚実生。樹勢強い。棘少ない。果皮の厚さは中、剥きやすい。じょうのう膜軟らかい。種子ほとんどない。皮むきやすくじょうのう膜薄く果肉赤紫。アントシアニンとβクリプトキサンチンを豊富に含む。隔年結果性は中、浮皮果の発生は多、裂果の発生は少である。モロと比べて果皮剥きやすい。2008/10/16全農により品種登録。品種登録の有効期限は30年である。興味深い品種。
    • サザンイエローSouthern Yellow(12月下旬)・・・谷川文旦に無核紀州を交配した交雑実生。樹勢強く棘多い。果実重220g。洋ナシ形。果皮黄色で日向夏より薄い。むきやすさは中~易。特有の芳香あり。肉質は八朔より柔軟。熟期は12月下旬。糖度12度。無核でさわやかな味。す上がりしやすく可食適期は短い。やや直立性でかいよう病に強い。谷川文旦×無核紀州。1966年交配。1995/08/17登録。育成者権の消滅日は2013/08/18。R

    雑柑類の品種一覧

    個性的な品種が多く、日向夏のようにほんのり甘い食味良好な品種も。
    • 秋あかね オレンジゼリー・・・糖度11度180gのオレンジ。収穫期は10月~11月。2019年に国華園で2株8100円で「ゼリーのようなプルプル食感の絶品オレンジ」として販売を確認。詳細はわからないため雑柑に分類した。
    • 夕焼け姫(11月中旬)・・・樹勢やや弱い。棘かなり少ない。果皮薄い。じょうのう膜軟かい。甘みやや多い。酸味低い。香気中。無核。愛知県によりね2013年登録。2043年終了。ミカンではないが「みかん」として販売される。交配親が不明なため薬の飲み合わせに注意したい。詳細がわからないため雑柑に分類した。
    • 南津海(なつみ) Natumi (4月~5月)・・・晩生のミカンを濃厚にした風味の柑橘。ポンカンとの交配種という説があり薬の飲み合わせは専門家に尋ねるべきかと思います。超晩生!R
    • 南津海シードレス Natumi Seedless・・・樹勢中、開張性。棘は無い。果皮厚さは中、果皮剥きやすくじょうのう膜軟らかい。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は中、香気の多少は少、種子数は無い。南津海と比べて種子が無い。成熟期は晩、隔年結果性は中、浮皮果の発生は中、裂果の発生は無、貯蔵性は中である。種苗法に基づく登録は2013/09/26。登録期限は30年。山口県が出願。
    • みえ紀南6号・・・中野 3 号ポンカン×今村温州。早香と比される柑橘。樹勢強く棘は多い。果皮厚さは中、じょうのう膜の硬さ中。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少はやや多、種子数は無。成熟期は早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は多、裂果の発生は無。早香と比して種子は無い。登録年月日は2017/06/14。品種登録の有効期限は30年である。
    • 阿波オレンジ・・・日向夏とトロビタオレンジの交雑実生で小ぶり(110g)の柑橘。果汁は多く、甘味は中、酸味(クエン酸含量)は概ね12月下旬に1.42%、4月上旬に1.24%程度である。含有種子数は1果当たり約12.4個。九年母臭がある。登録年月日は1985/07/18、登録の有効期限は2002/07/19年である。
    • 日向夏(ニューサマーオレンジ)・・・宮崎県が産地。ほんのり甘い。R
    • はるか・・・1996年品種登録。福岡県原産。日向夏の交雑実生。育成者の庭で発見・登録。外観日向夏と似ている。樹勢中。隔年結果やや低い。糖度12度。酸味少ない。日向夏同様に白い綿や果皮も食べられる。一時期大手スーパーでよく見かけたが2018年には4月の終わりごろ以外はあまり見かけなくなった。筆者が苗木を確かめたところ、細くて長く服に刺さるほど鋭い。R
    • カンキツ口之津41号(3月中旬~4月下旬)・・・果実重235g。果皮6.5mm。糖度10.5%。減酸遅い。熟期3月中~4月下旬。ヒュウガナツに受粉すると結実性よく種子数減少する。無核果もあり。日向夏の人為四倍体。2008年登録。
    • 黄金柑(おうごんかん)・・・R
    • いよかん・・・いよかんの総称。宮内、沢田、勝山などがある。R
    • 大谷伊予柑(12月頃)・・・果皮が宮内伊予柑よりなめらか。12月上旬に完全着色する。果実の大きさは宮内伊予柑と同等か小さい。種苗法に基づく登録は1980/08/13。品種登録の消滅日は1998/08/14。
    • 勝山伊予柑・・・宮内伊予柑の枝変り。やや開張性で樹勢はやや強い。熟期宮内伊予柑より7~10日早い。隔年結果性は中、着色の早晩は早、生理落果の多少、耐寒性、貯蔵性、病害抵抗性及び虫害抵抗性は中である。育成者権の消滅日は2005/11/13。R
    • 八朔(はっさく)・・・甘酸っぱい。果汁したたりにくく、手がべたべたしにくい。CTV感受性高い。R
    • 八朔55・・・八朔よりウイルス病に強いとされる。HM-55が接種された弱毒性CTVに感染した株である。R
    • 農間紅八朔・・・八朔の枝変わり。八朔よりオレンジ色になる。1926年に広島県尾道市向島町で発見され1976年品種登録。R
    • 紅八朔・・・オレンジ色の八朔。R
    • 甘夏・・・品種は不明だが単にあまなつの名前で売られている。カワノナツダイダイ。R
    • 新甘夏・・・2020年秋に地元の園芸店で苗木が売られているのを目撃した。ラベルには豊産性、食べごろは3月から4月と書かれていた。写真を撮って確認したが、棘は無い。
    • カワノナツダイダイ(川野夏橙)(1月~3月)・・・甘夏のこと。ミカン科ミカン属。甘夏とも呼ばれる。ナツミカンより減酸早く糖度高い。ナツミカンの枝変わり。1950年登録。熟期1月~3月。R
    • ナツミカン(5月~6月)・・・甘夏とよく誤認される。熟期は5月~6月。R
    • 紅甘夏・・・筆者が園芸店で見たのは2020年。写真を撮って確認したが、苗木に棘が無かった。葉は大き目。説明には糖度9.5度、果実250g、甘夏より糖度高いと書かれていた。参考までに苗木は1,550円だった。R
    • タンカン・・・品種は不明だが園芸店でこの名前で売られている。R
    • 平井 Red新品種・・・タンカン直立性で樹勢は中。棘は無い。果皮の厚さは中。皮の剥きやすさは中。じょうのう膜は中。無核。果汁多い。甘みやや低い酸味低い。香気中。隔年結果性はやや高、浮皮果の発生は無、裂果の発生は無、貯蔵性は中。2019年登録。2049年終了。
    • タンカン垂水1号・・・R
    • タンカン名護紅早生・・・樹勢中。棘少ない。糖度11度程度。じょうのう膜厚さ中。酸味少ない。香気中。種子少ない。垂水1号より果皮橙でじょうのう膜硬いが甘味多い。1993年品種登録。沖縄にて1月上旬収穫。R
    • 天草(あまくさ)(12月下旬~1月上旬)・・・果実重200g。皮ややむきにくいのでナイフで切ることに適する。果肉柔らかく多汁。風味良い。陽光面が退色しやすい。後期落果あり。(清見×興津早生)-No.14×ページ。1982年交配。タンゴール農林5号として1995年登録。R
    • 大分果研4号(12月頃)・・・樹勢中、開張性。棘小さいが成長につれ消失。ゼリーオレンジ・サンセレブ(商標)。大分県内のみ。大津八号と天草を交配。11月下旬に完全着色。12月に糖度11~12度。説明によると「ほどよい甘さでさわやかなオレンジの香りがあり、皮がむきやすく、じょうのう膜が薄くて軟らかいため"ゼリーのようなプルプルとした食感"」。
    • マーコット・・・R
    • 清峰(せいほう)(1月中下旬)・・・果実重200g。果肉と果皮が密着。多汁。オレンジに似た香りあり。熟期は1月下旬。食味良い。手で剥くと汁がべとつく熟期1月中下旬。じょうのう膜薄い。無核。糖度12度。果皮薄く冬季の低温でこはん症が発生する。樹勢中でかいよう病にやや弱い。清見×ミネオラ。1971年交配。1989年にタンゴール農林2号として登録。
    • アグリフルーツ
    • スイートスプリング(2月中下旬)・・・果実重250g。皮たいへん硬く鋸刃のナイフでないとまず剥けない(筆者の場合)ので果実のサンプルを買って食してから導入の判断をすべし。肉質硬めで多汁。糖度高く酸味少な目。熟期は2月中下旬。豊産性だが隔年結果の傾向。耐寒性あり病気に強い。栽培容易。上田温州×ハッサク。1981年交配。1982年登録。国華園のカタログでは糖度12-13度と記載。育てやすい!が味はミカンとよく似ていながらみかんより果肉硬めで着色してから収穫すると皮からオレンジのような良い香りがするので2月中旬が食べごろだと思う。また、葉果比80では小玉が多く食べづらかったので120-160あたりが個人的に良いと思う(筆者談)。R
    • セミノール・・・R
    • タンジェロ
    • オーラスター(3月上旬~中旬)・・・カラタチ、ハッサクおよび「晩白柚」に由来する品種です。生食には適しませんが、オーラプテンを高含有し、カンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性であり、加工用または育種素材として活用できる可能性があります。H・FD-1(ハッサク×ヒリュウ)×晩白柚。2011年登録。収穫期は3月上旬~中旬。R
    • 津之香(つのかおり)(3月下旬~4月上旬)・・・果実重160g。外観美麗。通常無核だが異品種があると種子入る。果皮薄くむきやすい。浮き皮なし。熟期3月下旬~4月中旬。糖度13度以上。貯蔵中の腐敗果少ない。結実性よいので着果量の制限が必要。樹勢中で開張性。清見×興津早生。1972年交配。タンゴール農林3号として1991年に登録。超晩生!R
    • サマーフレッシュ・・・果実重350g~400g。熟期6~8月。結実よく豊産性で病害虫少ない。種子は30個程度。樹勢強い。果汁の酸高い。八朔×ナツミカン。1947年交雑。1982年登録。超晩生!デメリットは農薬を散布しづらいところ。R
    • ありあけ・・・果実重170g~200g。無核で食味良好。熟期12月中~下旬。ネーブルオレンジに似た球形。皮むきにくい。糖度13度。酸度0.8~0.9%。食味良好。樹勢やや弱くかいよう病に弱い。清家ネーブル×クレメンティン。1973年交配。タンゴール農林4号として1992年登録。R
    • かんきつ中間母本農5号・・・花粉多い。ナツミカン、八朔、日向夏の花粉を受粉しても種子がまったく入りません。自然受粉でも健全な種子は認められず無核紀州と同様の不稔性を示します。果実重は50g。果皮1.8mmと薄くむきやすい。じょうのう膜は中程度、果肉柔軟多汁。無核紀州より果実大きく減酸早い。浮き皮なりにくい。糖度12度~14度。クエン酸0.8~1程度。リー×無核紀州。1999年登録。
    • かんきつ中間母本農7号・・・果実重350。果皮厚み12mm。クエン酸含有量3%。種子40個。糖度11度。カラタチ臭ほとんどなし。熟期1月上旬。カンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性。H・FDー1(ハツサク×ヒリュウ)×晩白柚。2008年登録。
    • 夏橙(ナツダイダイ)・・・ナツミカンの別名。
    • カラマンシー Calamansi 東南アジアで開発されフィリピンで人気の柑橘。別名、四季橘。シークァーサーの代用とする。R

    キンカン属の品種一覧

    金柑は中国原産の柑橘類です。喉の薬として砂糖で煮た金柑に湯を注いで供します。CTVに感染しているといわれます。

    • 長葉金柑 Nagaha Kinkan・・・観賞に適した中国原産の金柑。R
    • 長実金柑・・・中国原産の金柑。R
    • 寧波金柑・・・中国原産の金柑。R
    • 福州金柑・・・中国原産の金柑。
    • 香港金柑・・・香港原産の金柑。
    • 丸実金柑・・・R
    • 福寿金柑・・・世界最大の金柑。 R
    • ぷちまる(1月上中旬)・・・長実キンカンに4倍体ニンポウキンカンを交配して育成されたもの。果実重11g。種子少なく食べやすい。果皮甘味あり食味よい。香気は中程度。3倍体。そうか病にかなり強い。かいよう病に抵抗性あり。ステムピッティングは中程度。隔年結果性は低、浮き皮果及び裂果の発生は無、貯蔵性は短である。ナガミキンカンより棘がある。CTVにの弱毒系統対し免疫性といわれる。2002/07/10登録、登録の有効期限は25年である。 R
    • 選抜ぷちまる・・・早期結実。R
    • 選抜寧波金柑・・・R
    • ゆみちゃんのほっぺ(12月上旬)・・・ニンポウキンカンの枝変わり。直立性で樹勢弱い。棘の多少は中。果実の重さは中。果汁の多少は中、甘味はかなり高、酸味は極高、香気の多少及び種子数は中、胚の数は多胚である。ナガミキンカンより甘味多い。登録日は2007/02/20。登録の有効期限は30年である。育成者権の消滅日は2010/02/23。
    • 宮崎夢丸・・・無核の金柑。樹姿は中間、樹勢は弱い。熟期早い。果皮歩合は極大、果汁の多少は少、甘味は高、酸味は極低、香気の多少は中、種子数は無、発芽期は極晩、開花期は極晩、成熟期は早、隔年結果性は低、浮皮果の発生は無、裂果の発生は無、貯蔵性は短である。ニンポウキンカンと比べて果汁少なく酸味極めて少ない。登録年月日は2010/11/15で有効期限は30年。
    • 宮崎王丸・・・直立性で樹勢弱く棘は多い。果皮歩合は極大、さじょう(果肉)の色は橙、果汁の多少は中、甘味は高、酸味は中、香気の多少は中、種子数は少、発芽期は極晩、開花期は極晩、成熟期はやや早、隔年結果性は低、浮皮果の発生は無、裂果の発生は無、貯蔵性は短である。ニンポウキンカンより棘多く油胞の密度は蜜である。登録年月日は2011/07/11で有効期限は30年。
    • こん太(2月上中旬)・・・ ニンポウキンカンの枝変わり。果汁の多少は少、甘味は高、酸味は極低、香気の多少はやや少、種子数は少、胚の数は多胚である。ニンポウキンカンと比して果皮がなめらかで厚い。登録年月日は2002/06/20で有効期限は25年。
    • 紅央・・・皮が橙赤の金柑。直立で樹勢弱い。さじょう(果肉)の色は黄橙、果汁の多少は中、甘味は高、酸味は極高、香気の多少はやや少、種子数は中。隔年結果性は低、浮皮果の発生は無、裂果の発生は無、貯蔵性は短である。登録の年月日は2016/06/13、有効期限は30年である。
    • 勇紅(2月中旬)・・・ニンポウキンカンの変異種。直立性で樹勢弱い。棘多い。果汁の多少は中、甘味はかなり高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は少、胚の数は多胚である。ニンポウキンカン、ナガミキンカンのり果重重い。隔年結果性は低、浮皮果及び裂果の発生は無、貯蔵性は短、果皮の甘味は高である。登録年月日は2006/08/22、登録の有効期限は30年である。育成権の消滅日は 2009/08/25。
    • エクリーク109・・・金柑によく似た金柑の雑種。全農が登録。(まだ情報はないが、黄金柑とニンポウキンカンの交配種ではないか?と筆者は推測する。)樹勢は中、枝梢のとげの多少は多。成熟期は中、隔年結果性は低、浮皮果の発生は無、裂果の発生は無である。登録年月日は2009/06/25で登録の有効期限は30年である。育成権の消滅日は2015/06/26。
    • たまたま金柑・・・宮崎県の温室栽培でで糖度16度以上、果実サイズL以上をたまたまとして販売できる。

    カラタチ属

    • カラタチ・・・強権で鋭い棘が特徴。継木の台木に使用される。果実は卓球ボール大。果実は堅く生食は難しい。R

    未分類

    • ホワイトラブ・・・花は四季咲。3倍体。観賞用。樹勢弱い。棘多い。2001年登録。

    柑橘類について

    こうして柑橘類の品種の特徴を調べてみますと、温州ミカンがいかに品種として優れているかわかります。温州ミカンは無核で皮もむきやすく食べやすく適度に甘く耐寒性も中間地まである。これほど優れた特徴が揃っていることは他の柑橘類でもなかなか見られません。ミカンが優れているため供給過剰となり単価が安く農家泣かせの作物となっていることは残念ですが消費者の立場からはありがたいことでしょう。今は産地限定の新品種もあり、産地の独占販売となっているブランド柑橘があるようです。

    温暖化の影響で、中間地である当地でも柑橘類の栽培が盛んになってきて、筆者の地域においても道の駅でレモンを販売される方まで現れました。本格的に農薬栽培されたレモンは品質が良く、当地でも産地化すれば出荷可能なところまできているようです。しかし柑橘類の糖度となると、温暖地と比べて1~2度ほど低く、中間地で糖度を上げるとなると、ハウスやマルチを必要としますし、温暖化とはいえ寒気が一時的に南下する可能性もありますのでまだ温暖地に優位性があると思います。

    ※筆者は専門家ではありませんので分類は正確ではありません。
    参考したページは以下の通りです。

    • 平成24年産果樹の品種別栽培面積http://www.kasyukyo.or.jp/wp-content/uploads/2015/06/unsyumikan-hinsyubetsu.pdf
    • 温州みかんの品種比較https://www.pref.ehime.jp/h35120/kajyunanyo/report/documents/h24v_slide01.pdf
    • うんしゅうみかん品種特性表http://www.nrs.pref.yamaguchi.lg.jp/hp_open/a173000/00000009/05unsyu.pdf
    • カリフォルニア大学リバーサイド大学校http://www.citrusvariety.ucr.edu/
    • シトラスページhttp://citruspages.free.fr
    • 品種の登録情報
    更新履歴
    • 2021年5月6日 サガンルビーを追加。
    • 2020年12月12日 瀬戸内レモン、シードレスあや、新甘夏、紅甘夏について情報と考察を追加。
    • 2019年12月8日 瑞季、平井 Red、まりひめを追加。
    • 2019年9月29日 大分果研4号、オレンジゼリー、レモン21、あすきを追加。
    • 2018年10月31日 レモンシードレス あや、ハピネスオレンジを追加
    • 2018年1月18日 更新
    • 2016年 ページを公開

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